本研究では、脳梗塞の病態進行における卵巣ホルモンの影響を検証することを目的とした。マウス光血栓性脳梗塞モデルを用いて、脳梗塞作製後にエストラジオール、プロゲステロン又はその両者を投与し、病態を検討した。雌マウスを用いた解析の結果、エストラジオール及びプロゲステロンは、ミクログリアの動態には影響しなかったが、アストロサイトの反応性を調節することが分かった。これらのアストロサイトの反応性変化は卵巣の有無による影響を受けなかった。雄マウスでも同様の結果を得られたが、炎症性サイトカインの発現に関しては、一部に雌雄差が見られた。今回の実験条件においては、脳梗塞部位へのT細胞の集積は認められなかった。
|