研究課題/領域番号 |
21K07317
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
石井 伸弥 広島大学, 医系科学研究科(保), 寄附講座教授 (80710996)
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研究分担者 |
久保 達彦 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (00446121)
加澤 佳奈 広島大学, 医系科学研究科(保), 寄附講座講師 (10740102)
大田 秀隆 秋田大学, 高齢者医療先端研究センター, 教授 (20431869)
林 幹雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (30897749)
孫 大輔 鳥取大学, 医学部, 講師 (40637039)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / 高齢者 / 認知症 / フレイル |
研究実績の概要 |
認知症者のほとんどが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクが高い高齢者だが、認知機能低下のため感染予防が不十分になりやすい。一方で、COVID-19流行感染下においては、外出自粛や介護保険サービスの休業・縮小等によって運動機会の減少、社会的繋がりの喪失が起こり、認知機能の低下等に繋がるという事例が幅広く見られていることが、医療・介護施設や介護支援専門員を対象として申請者らが2020年に実施した調査によって明らかになっており、認知症者における感染予防のあり方の検討、支援の強化は喫緊の課題である。 本研究はCOVID-19流行下において高齢者、特に認知症高齢者とその家族において生じた影響を明らかにし、感染拡大を予防するための支援について検討をすすめることを目的としている。本年度は以下の取組を実施した。 ・全国調査:2021年10月から12月にかけて実施した全国の介護支援専門員および高齢者医療介護施設を対象とした実態調査の結果を学術論文として公表した。 さらに、新型コロナウイルス感染症感染流行の長期化から、予定を変更して2023年1月から2月にかけて調査を再実施し、全国の995の高齢者医療介護施設、414名の介護支援専門員から回答を得た。コロナ禍が長期化する中で、認知症高齢者により広範な悪影響が生じていること、またそれに対して様々な取組が実施されていることが明らかとなった。特に、新型コロナウイルス感染症感染時には介護が十分に提供されない状況が幅広くみられたこと、コロナ感染後には必要な介護量が増えることが多いこと、施設においては面会制限など外部との交流を減らす取組が幅広くかつ継続的にみられたことなどが明らかとなった。この再調査の結果に関しては、現在学術論文としてまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたインタビュー調査および全国調査に関しては、結果を学術集会や学術雑誌等に結果公表済みである。全国調査については、新型コロナウイルス感染症感染流行の長期化から、予定を変更して2023年1月から2月にかけて調査を再実施しており、結果を公表に向けて準備中である。(一部についてはすでにホームページ等で公表済みである。) 介護保険総合データベースの解析に関しては、2022年5月に情報提供に関する承諾が厚生労働省より得られたものの、その後実際のデータ提供を待っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年1月から2月にかけて実施した全国調査に関しては、引き続き結果を医学論文等として発表する準備を進めていく。 介護保険総合データベースの解析に関しては、現在データ提供を待っている段階である。データが提供された時に向けて、解析計画の準備を進めており、データ利用が可能となり次第、解析に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、当初予定していた学会出張等を一部実施しなかったため、当初旅費として計上していた経費が一部未使用となった。 次年度は、本研究の最終年度となる事から、研究結果の公表のため学会出張等を積極的に実施する予定である。
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