研究課題/領域番号 |
21K07328
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
大平 征宏 東邦大学, 医学部, 准教授 (00398835)
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研究分担者 |
大城 崇司 東邦大学, 医学部, 准教授 (60404563)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 肥満 / 内臓脂肪 / 皮下脂肪 |
研究実績の概要 |
肥満(BMI 25kg/m2以上)は糖尿病、脂質異常症といった代謝疾患のみならず心不全などの原因となる。しかし、脂肪が蓄積し肥満になるメカニズムは未だ明らかになっていない。本研究は、BMI 35kg/m2以上の高度肥満患者で胃を縮小する肥満外科手術を受ける患者から皮下脂肪および内臓脂肪を採取し、その脂肪細胞を用いて研究することにより肥満のメカニズムをさらに解明することを目的としている。我々は過去の検討で、高度肥満患者の血中リポ蛋白リパーゼ濃度が胃を縮小する肥満外科手術後に著明に増加し、それに伴い体重が著明に減量することを見いだしている。今回の研究では肥満になるメカニズムにリポ蛋白リパーゼが関与しているかどうか、また、リポ蛋白リパーゼの発現に関連する因子を皮下脂肪と内臓脂肪で比較することにより肥満のメカニズムをさらに解明しようとしている。現在合計172例分の皮下脂肪、内臓脂肪の組織が採取されている。現在の状況で解析できるリポ蛋白リパーゼおよびその発現に関連する因子の結果から、代謝調節における皮下脂肪の役割がこれまでの知見よりも非常に重要であることを示唆する結果が得られている。現在は皮下脂肪や内臓脂肪から放出される物質をいくつか測定し、リポ蛋白リパーゼ発現との関連を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肥満外科手術症例の脂肪組織採取、cDNA作成、リポ蛋白リパーゼmRNAおよびそれに関連する因子のmRNA定量を行った。非肥満患者の外科手術時の脂肪組織採取は同意が得られずほぼできていない。その分高度肥満患者でリポ蛋白リパーゼ発現に関連する因子について、当初の計画よりも種類を増やし測定している。
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今後の研究の推進方策 |
高度肥満患者による検討を中心に行う。肥満およびメタボリックシンドロームに関連する因子についてさらに検索し、その物質とリポ蛋白リパーゼ発現との関連を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
非肥満患者の外科手術時の検体採取がなく予定よりも使用額が少なかった。しかし、現在高度肥満患者においては従来の知見と異なる興味深い結果が得られており、肥満のさらなる病態の解明を目的に高度肥満患者で当初予定していた因子以外の物質の測定に使用する。
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