非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の病態進展の主要な原因は脂質の異常蓄積による肝細胞傷害が指摘されている。本研究では、薬用植物ヨモギの肝細胞障害に対する抑制効果を検討した。マウス肝細胞では、ヨモギは濃度依存的に飽和脂肪酸負荷による酸化ストレス、小胞体ストレスの応答を軽減し、アポトーシス抑制効能を有する知見が得られた。一方、高濃度のヨモギはかえって小胞体ストレス応答促進に寄与し、肝細胞にアポトーシスを誘導することが示唆された。以上の結果から、ヨモギの投与量が適切であれば、NAFLDの治療に有用であると考えられる。
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