研究課題/領域番号 |
21K07338
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
松村 一弘 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (50378486)
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研究分担者 |
藤野 和典 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70402716)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 副腎機能 / プロインスリン陽性細胞 / コルチゾール |
研究実績の概要 |
糖尿病は日本において今も増加傾向にあり、大きな社会問題となっている疾患である。糖尿病患者において観察される血中コルチゾール過剰分泌は、糖尿病の病態を悪化させている。申請者は、高血糖にて誘導され、糖尿病合併症を導くプロインスリン陽性骨髄由来細胞(PI-BMDCs)が、糖尿病およびストレスモデルマウスの副腎皮質に発現していることを見出した。PI-BMDCsがコルチゾール過剰分泌に関与するならば、ストレスによるコルチゾール過剰分泌から糖尿病の病態が悪化し、PI-BMDCsが誘導され、さらにコルチゾールが過剰分泌するという負のサイクルの存在を証明出来得る。本研究は、PI-BMDCsとコルチゾール過剰分泌の関係を明らかとし、糖尿病の病態悪化を防ぐ治療法を検討するものである。 令和3年度はSTZ糖尿病モデルマウス、正常モマウスにおけるPI-BMDCsの発現につき調査を行った。糖尿病モデルマウスにおいては有意にPI-BMDCsの出現頻度が増加し、このことは、GFP骨髄移植マウス(雄のGFP Tgマウスより雌のマウスへの骨髄移植)にてSTZ糖尿病モデルを作成し、副腎におけるGFP陽性細胞数、Proinsulin抗体陽性細胞数を免疫染色にてカウントすることにより確認できた。また、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、副腎に出現したGFP陽性細胞、Proinsulin陽性細胞が共発現していることが確認できた。令和4年度は、ストレスモデルにおけるPI-BMDCsの発現を調査したが不安定であったため、侵襲ストレスモデルとしてリポポリサッカライド(LPS)投与モデルにても検討を行ったが、糖尿病モデルと同様に副腎皮質にProinsulin陽性細胞が出現することを見出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ストレスモデルマウス(拘束水浸ストレス)における副腎皮質のPI-BMDCsの発現を調査していたが、出現するマウスと出現しないマウスが存在した。他のストレスにおいても出現するか否かにつき引き続き調査をしていく予定としている
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今後の研究の推進方策 |
ストレスモデルマウス(拘束水浸ストレス)における副腎皮質のPI-BMDCsの発現は不安定であったため、より強い侵襲ストレスであるリポポリサッカライド(LPS)投与を行ったところ、副腎皮質にPI-BMDCsが出現することが確認できた。使用したマウスにおいてLPS投与は高血糖を誘発しないため、PI-BMDCsの出現は高血糖に依存するのでは無く、ストレスに対応していることが示唆された。今後も調査を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
残高において希望の物品が購入できなかったため、次年度の予算に組み入れた。
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