研究課題/領域番号 |
21K07340
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
外園 栄作 九州大学, 医学研究院, 講師 (60404042)
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研究分担者 |
内海 健 九州大学, 医学研究院, 教授 (80253798)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 金属キレータ / 核酸増幅 / ピロリン酸 / 高感度検出 |
研究実績の概要 |
現在、ウイルスや細菌の検出,また,癌やその他の疾患の潜在的なバイオマーカーとして生体内で循環するmiRNAなどの核酸に着目した検査が臨床において用いられおり、今後さらにその需要が高まると予想される。 核酸を用いた検査には、目的とする遺伝子の増幅が不可欠であり、これまでにもいろいろな増幅技術が開発され実用化されてきた。一方,増幅の程度を検出する技術においては、その多くが蛍光を標識した高価なプローブを用いた検出法であることから、励起装置や蛍光を検出する特別な機器が必須となる。 そこで、本研究では,核酸の増幅時に副二次的に生成されるピロリン酸に着目し、酵素を用いてこのピロリン酸を低価格で高感度に検出することで、特別な機器や分析環境条件を問わない、かつ、目視にて検出可能な、より簡便な核酸増幅量の検出技術と核酸定量の開発を試み、本法の技術応用の可能性について探索・検証を行うこととする。 これまでにピロリン酸検出の基本的な反応系の構築を水溶液ベースに置いて確立するに至ったが、本年度は、実際に核酸増幅後の試料を用いて検討を試みたところ、水溶液ベースと比較して何らかの反応の阻害が起きていることが判明した。そこで、阻害物質の特定と回避策を検討した結果、これらを回避する方法を見出すに至った。 今後は、構築した方法を用いて、既存の核酸増幅技術との検出に関する比較検討を行う予定である。 具体的には、増幅時間(サイクル数)を既存の方法と比較することで、本法の検出技術の有用性を評価するとともに、臨床展開への可能性についても検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
核酸増幅時の生成物であるピロリン酸検出の基本的な反応系の構築を行い、水溶液ベースにおける検出感度は予定していたものよりも高感度に反応系を構築ができ、良好である。また、実際に核酸増幅後の試料を用いた検討においても、核酸増幅を検出・確認することできた。実際に核酸増幅後の試料を用いた検討において何らかの反応の阻害が起きていることが判明したが、この妨害物質の特定と、回避策を検討したところ、妨害物質の隠蔽に成功するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、核酸増幅における既存の検出法と比較検討を進める予定である。具体的には、増幅時間(サイクル数)を既存の方法と比較することで、本法の検出技術の有用性を評価するとともに、臨床展開への可能性についても検証を行う予定である。
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