研究課題/領域番号 |
21K07348
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
松崎 広和 城西大学, 薬学部, 助教 (80582238)
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研究分担者 |
坂本 武史 城西大学, 薬学部, 教授 (20187040)
岡崎 真理 城西大学, 薬学部, 教授 (50272901)
袁 博 城西大学, 薬学部, 准教授 (10328552)
玄 美燕 城西大学, 薬学部, 助手 (50711751)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 抗うつ作用 / 抗炎症作用 / クルクミン誘導体 / 予防効果 / 神経炎症仮説 |
研究実績の概要 |
うつ病は誰もが罹患する可能性のある精神疾患であるにも関わらず、既存の抗うつ薬は副作用が多く、治療効果が不十分であることから、有効性の高い治療薬の創出および予防法の開発が求められている。これまでに申請者らは、抗酸化作用や抗炎症作用を有し、また、脳内モノアミン濃度の増加、神経新生の促進など様々な作用を介して抗うつ作用を示すことが報告されているクルクミンをリード化合物として合成した新規クルクミン誘導体の一つ、CUD003がモデル動物において強い抗うつ作用を示すことを見出した。しかし、そのメカニズムの詳細は明らかではない。そこで本研究では、CUD003のうつ症状発症に対する予防・改善のメカニズムを解明することを目的とした。 2021年度は、LPS誘発うつ様モデルマウスに対するCUD003の効果について検討を行った。まずモデル検討のため、使用するマウス、LPSの種類、および濃度を検討した。BALB/cマウスを用いて0.5 mg/kg LPS(serotype O127:B8)の単回腹腔内投与24時間後に強制水泳試験(FST)、尾懸垂試験(TST)を行ったところ、無動時間の有意な延長を確認でき、安定したうつ様モデルマウスを作製することが出来た。LPS投与前の単回CUD003の前投与により、LPS誘発うつ様行動を用量依存的に抑制した。また、5日間の連続前投与により、低濃度ではクルクミンより強い抑制傾向が見られた。このことから、CUD003の前処置はLPSによるうつ様行動を予防できる可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
うつ病の神経炎症仮説に基づき、LPS誘発うつ様モデルマウスの作製に成功した。また、CUD003の前処置(予防的効果の検討)によりうつ様行動の発症を予防できることを明らかと出来た。LPS投与後のCUD003処置(改善効果の検討)についても一部取り掛かることも出来ている。 低濃度ではクルクミンと比較して強い抗うつ効果を示す傾向はあるが、高濃度では同程度の効果のため、投与期間や投与濃度などの再検討が必要であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
投与期間や投与濃度を再度検討する。試験終了後に脳サンプルを採取し、うつ病発症に関与する脳部位として知られる前頭前野、海馬のTNF-、IL-1、IL-6などの炎症性サイトカインやIL-10やTGF-などの抗炎症性サイトカインについてELISA法で測定する。また、各種受容体拮抗薬などを用いることで抗うつ効果の作用点の検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加した学会の一つがオンライン開催となったため、旅費の必要がなくなったため
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