研究実績の概要 |
【実験方法】1.マウスへの菌およびIL-10投与:Group A(3匹):菌投与なし、Group B(3匹):ピロリ菌SS1株+E.coli投与、Group C(3匹):ピロリ菌SS1株+K.pneumoniae投与、Group D(3匹):ピロリ菌SS1株+S.parasanguinis投与、Group E(2匹):ピロリ菌SS1株投与。すべてのマウスにIL-10を継続投与した。2.血清:ELISA法を用い、採血で得たマウス血清のピロリ菌抗体価(総IgG,IgG1,IgG2)を測定した。3.脾臓リンパ球:屠殺したマウスの脾臓から抽出したリンパ球を48時間培養し、細胞と培養上清に分け、サイトカイン測定を行った。4.胃:屠殺したマウスから胃を摘出して、病理切片を作成し、HE染色像を観察した。 【結果】1.血清:GroupB, C, DはGroup Eと比較して総IgGおよびIgG1/IgG2比が高くなった。2.脾臓リンパ球(1)RT-PCR法:IL-4はグループ間で発現量の差が認められなかった。IL-12はGroup Bの発現量がやや増加した。IFN-γはGroup Cの発現量がやや低下した。(2)ウエスタンブロット法:STAT4,T-bet,およびGATA-3はすべてのグループにおいて発現が認められなかった。STAT6はGroup Cにおいて発現が認められた。(3)ELISA法:IL-1 betaはグループ間で大きな差は認められなかった。IL-6はGroup Eと比較してGroup B,C,Dがやや高い値を示した。IL-2, IL-4はグループ間で大きな差は認められなかったが、Group Eと比較してGroup B,C,Dがやや高い値を示した。3.胃:胃粘膜のHE染色像ではGroup C,D,Eに炎症を示唆するリンパ球浸潤が認められた。
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