• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

ポドサイトの活性化シグナルの解析による各種腎障害の鑑別法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K07367
研究機関徳島大学

研究代表者

櫻井 明子  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (70707900)

研究分担者 冨永 辰也  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (80425446)
田蒔 昌憲  徳島大学, 病院, 講師 (90528902)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードポドサイト / バイオマーカー
研究実績の概要

慢性腎臓病(CKD)は国民病のみならず、世界においてもパンデミックな状況にある。中でも重症化するCKDの主たる原因は糖尿病性腎症であり、新規透析導入患者で最も多い原疾患となっている。他のCKDと比較しても、予後は極めて不良である。近年、糖尿病性腎臓病(DKD)という疾患概念が提唱されているように、糖尿病を背景としていても非典型的な腎症の進行を認める症例が多数あることが知られている。糖尿病性腎症の診断基準の1つである微量アルブミン尿では、腎症の早期発見に至っていないのが現実であり、治療の面でも、腎機能低下を遅らせる対処療法しかない。本研究では、podocyte lossが不可逆的な腎機能低下の原因であることに着目し、糖尿病などの各種腎疾患における、ポドサイトの細胞恒常性の破綻がもたらされる機構を、細胞膜に存在するGタンパク共役受容体CXC chemokine receptor type 4 (CXCR-4)・CXC chemokine receptor type 7 (CXCR-7)を中心に解析を進める。各種腎疾患による、ポドサイトの恒常性や形質の変化を経時的に解析することで、ポドサイトに特異的に発現する分子群の腎症における分子病態を統合的に理解し、腎症の病態・病期ごとに特異的な分子を抽出し、新たな診断のためのバイオマーカーの樹立と新規分子標的治療の探索を行う。
令和4年度は、培養不死化ヒトポドサイトを用いて、高血糖刺激、過酸化水素刺激、BMP4刺激、SDF-1刺激下にてポドサイト細胞膜に存在するGタンパク共役受容体CXCR-4・CXCR-7の遺伝子発現量の変化をReal-Time PCRにて確認した。また、健常者随時尿ならびに患者尿検体を用いて尿中エクソソーム抽出方法の検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ポドサイト特異的分子群の発現量の変化を経時的に解析し、糖尿病において、糸球体濾過機構の破綻する分子機序をポドサイト機能の低下という側面から、ポドサイトの新たな標的分子として、細胞膜に存在するGタンパク共役受容体CXC chemokine receptor type 4 (CXCR-4)・CXC chemokine receptor type 7 (CXCR-7)を中心に解析を進めている。培養不死化ヒトポドサイトを用いて、高血糖刺激、過酸化水素刺激、BMP4刺激、SDF-1刺激下で細胞膜に存在するGタンパク共役受容体CXC chemokine receptor type 4 (CXCR-4)・CXC chemokine receptor type 7 (CXCR-7)の遺伝子発現量の変化をReal-Time PCRで確認した。
ヒト尿中に排出されているエクソソーム内に存在するポドサイト特異的分子CXCR-4・CXCR-7タンパク発現を確認のため、健常者随時尿ならびに患者尿検体を用いて尿中エクソソーム抽出方法の検討を行った。抽出後のエクソソーム検体は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(PAGE)を行い泳動されたタンパク質を銀染色にて評価した。エクソソーム抽出方法を確定し、尿中エクソソーム内のポドサイト特異的分子CXCR-4・CXCR-7発現確認をWestern Blottingにて確認中である。
また、糖尿病性腎症モデルマウスを用いてポドサイト特異的分子群の発現解析を行うため、経時的にアルブミン尿・血圧・体重・血糖等の測定と、後のバイオマーカー解析のために用いる血清および尿を採取した。また、取集したコントロールマウス、糖尿病性腎症モデルマウスの腎を経時的に採取しており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

糖尿病性腎症モデルによる病態を反映するポドサイト特異的分子群の機能解明のために取集したモデルマウスの腎臓組織解析により、解析済みのバイオマーカー候補分子の機能を検討する。また、経時的に採取したマウスの腎組織において、ポドサイトの新たな標的分子Gタンパク共役受容体CXC chemokine receptor type 4 (CXCR-4)・CXC chemokine receptor type 7 (CXCR-7)の発現変化を免疫組織化学染色、Real-TimePCRにて解析する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 小胞体ストレス誘導下における腎線維化とBMP4/CHOPの機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      若林龍矢、櫻井明子、越智ありさ、冨永辰也
    • 学会等名
      日本生化学会
  • [学会発表] 腎硬化症における小胞体ストレス分子メカニズムの解析2022

    • 著者名/発表者名
      若林龍矢、櫻井明子、越智ありさ、冨永辰也
    • 学会等名
      日本分子生物学会
  • [学会発表] 高吸水性ポリマーを用いた新規エクソソーム精製法2022

    • 著者名/発表者名
      越智ありさ、櫻井明子、太田浩二、飛永恭兵、若林龍也、脇野修、右手浩一、冨永辰也
    • 学会等名
      日本分子生物学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi