うつ病と関連するバイオマーカーとしてのトリプトファン・キヌレニン代謝物は、血中では運搬タンパク質に結合しており、本研究はその運搬因子の同定と、うつ病態と関連解析を目的とした。運搬因子を血しょうタンパク質のゲルろ過法-SDS-PAGE法と質量分析により同定し、そのタンパク質の血中濃度定量法の確立し、うつ病との関連性を評価した。血中トリプトファンの運搬タンパク質であるα2マクログロブリン(A2M)の血中レベルは、うつ病患者群で有意に低下していた。また、プロテオミクス解析を導入して血しょうタンパク質300種を対象として、運搬因子の再検索を行い、数多くの結合因子の候補を同定した。
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