研究課題/領域番号 |
21K07371
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
三好 美帆 大分大学, 医学部, 助教 (40873477)
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研究分担者 |
近藤 秀和 大分大学, 医学部, 助教 (90724170)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | BaroreflexSensitivity |
研究実績の概要 |
当院で心房細動アブレーションを受けた67名の心房細動患者(女性14名,平均年齢65.2±10.1歳,PAF46名,PeAF21名)を登録し前向きに観察研究を行った。入院時の基本情報・患者背景・各種検査所見を収集し,ベースライン及びアブレーション後2日目のBRSを測定し、比較検討した。 結果: ①アブレーション前のBRSはPAF患者と比較してPeAF患者において有意に低下していた(2.97 ms/mmHg vs. 4.70 ms/mmHg, P=0.047)。②全心房細動患者67名において,アブレーション前後でBRSは有意に低下していた(4.66 ms/mmHg vs. 0.55 ms/mmHg, P<0.001)。③心房細動アブレーションによるBRS修飾効果は,PeAF患者と比較してPAF患者において強く認められた(PAF患者:4.70 ms/mmHgから0.62 ms/mmHgへ低下,P<0.001,PeAF患者:2.71 ms/mmHgから0.06 ms/mmHgへ低下,P=0.027)。④心房細動アブレーション後にBRSの低下を来たさなかった患者は,PeAF患者において有意に多かった(PeAF患者 25% vs. PAF患者 0%)。 以上の内容をMiyoshi M, et al. Baroreflex Sensitivity in Patients with Atrial Fibrillation. J Am Heart Assoc 2020;9:e018019.に報告している。再現性確認のため論文時よりもさらに症例数を増やし,評価したがやはり同様の結果が得られた。さらにアブレーション時の左房内電位や心房内伝導速度とBRSの関連を検討した。まだ症例数は少ないものの、左房内電位とBRSの関連は認めなかったが、BRS値と左房側壁の伝導速度に正の相関を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
心房細動アブレーション前後にBaroreflex Sensitivity(BRS)の評価を行う技術や段取りは、これまでの我々の研究の過程で確立できている。これまでの研究の結果の一部はすでに論文化して報告しており、再現性確認のため症例数を増やし評価したがやはり同様の結果が得られた。 さらにアブレーション時の左房内電位や心房内伝導速度とBRSの関連を検討した。まだ症例数は少ないものの、左房内電位とBRSの関連は認めなかったが、BRS値と左房側壁の伝導速度に正の相関を認めた。症例数を増やして検討を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
BRSの測定は時間的、人的に負担が大きいため、アブレーション後のBRS低下効果が恒久的な変化か否かを,術後1,6,12,24か月目に再度BRS測定を行い評価する部分については、臨床にて運用できるよう検討中である。 またアブレーション時に電気的指標(左房内電位や左房内伝導速度など)を収集し、BRSとの関連を検討する。
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