研究課題
基盤研究(C)
当院で心房細動アブレーションを受けた67名の患者を登録し前向きに観察研究を行った。入院時の基本情報・患者背景・各種検査所見を収集し,ベースライン及びアブレーション後2日目のBRSを測定し、比較検討した。その結果, (1)アブレーション前のBRSはPAF患者と比較しPeAF患者において有意に低下していた。(2)全心房細動患者において,アブレーション前後でBRSは有意に低下していた。(3)心房細動アブレーションによるBRS修飾効果は,PeAF患者と比較しPAF患者に強く認められた。(4)心房細動アブレーション後にBRSの低下を来たさなかった患者は,PeAF患者において有意に多い事が明らかとなった。
循環器
依然として高い再発率を示す持続性心房細動に対するアブレーション治療であるが,BRSの変化がアブレーション治療の有効性が高い患者群の同定につながる可能性がある。そのことから,ベースラインのBRSが低値でアブレーション治療の効果が低い, 再発率が高いと考えられる患者には薬物治療によるrate controlの方針を検討することで, アブレーションによる合併症や,医療コストの低減につながる可能性があると考える。