研究課題/領域番号 |
21K07382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 第一薬科大学 |
研究代表者 |
長島 史裕 第一薬科大学, 薬学部, 教授 (60228012)
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研究分担者 |
香川 正太 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (30463201)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 六味丸 / 牛車腎気丸 / 肥満 / インスリン抵抗性 / 糖新生 / Akt / サイトカイン / MuRF1 |
研究成果の概要 |
六味丸(RG)および牛車腎気丸(GJG)の抗肥満作用についての検討を行ったが、両漢方処方とも高脂肪食によって惹起された食餌性肥満を抑止することはできなかった。一方でRGは肥満によって誘導されたインスリン抵抗性を十分に抑止し、その機序として、骨格筋のインスリンシグナル伝達抑制を解除した。またRGは肝において糖新生を抑制したことから、肥満に伴う耐糖能異常の改善が示された。GJGは肥満に伴う骨格筋萎縮および慢性炎症を有意に改善し、その機序として、炎症性サイトカインによる骨格筋シグナル伝達を改善できた。この成果は、GJGもRG同様に肥満によるインスリン抵抗性の改善につなげられる可能性を示唆している。
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自由記述の分野 |
天然物化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究でRGおよびGJGの抗肥満作用は証明されなかった。一方で肥満に伴う代謝性疾患であるインスリン抵抗性をRGは有意に改善することができた。GJGは肥満に伴った骨格筋萎縮や慢性炎症を改善できるという新たな機序を証明できた。これらの結果はRGもGJGも主に骨格筋の機能を改善することで、生活習慣病を抑止できることが示唆された。このことはサルコペニア肥満による代謝性疾患の発症を抑止する可能性も言及でき、加齢肥満マウスでの検討を進める必要性を課題として示唆できた点で学術的意義は高い。それだけでなく超高齢社会の中でこれらの処方が高齢者のQOLの改善に生かせる可能性を見いだせた点で、社会的意義も大きい。
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