研究課題/領域番号 |
21K07388
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
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研究分担者 |
森 雅紀 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床准教授 (10771868)
藤澤 朋幸 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20402357)
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 間質性肺炎 / 呼吸困難 / 緩和医療 / オピオイド |
研究実績の概要 |
間質性肺炎は一般にきわめて予後不良の疾患であるが,現在,実臨床において多くの間質性肺炎患者は,終末期に十分な緩和的な医療を受けることなく死を迎えており,終末期の緩和ケアは大きなアンメットニーズとなっている.申請者らの調査研究などによって,アンメットである大きなきな理由として,このような患者に対する緩和ケアについて質の高いエビデンスが存在しないことなどが明らかとなった.そこで,終末期の間質性肺炎患者の緩和ケアを確立するプロジェクトの一貫として,本研究では,これらの患者の最大の苦しみである呼吸困難に対する薬物療法に関するエビデンスの創出に挑む.本研究では,第3相試験につなげるための間質性肺炎患者の呼吸困難に対するモルヒネの有用性を検証する二重盲検パイロット試験(第2相)を実施する. (研究方法) ・研究デザイン:二重盲検無作為プラセボ対照試験、 ・対象:画像所見(高解像CT),肺機能検査などで間質性肺炎と診断された20歳以上の患者(40例).かつ,標準治療を行っているにも関わらず息切れの症状がmodified MRC (mMRC) scoreが3以上で,室内気下でPaCO2≦60 Torrであるもの.モルヒネが禁忌,あるいはオピオイド使用歴のある患者は除く.介入方法:(図3):研究参加者を介入群とコントロール群の2群に均等かつ無作為に割り付ける.介入群ではモルヒネ 徐放製剤10mg1錠を1日1回朝,1週間投与した後,安全性等を確認した上で,同製剤20mg1 錠に増量し引き続き1週間投与する(計2週間).一方,コントロール群ではプラセボ製剤1錠を1日1回朝,計2週間内服する.評価項目:以下の評価項目を用い,呼吸困難だけでなく,多面的にQOLを評価する.主要評価項目:治療2週間後における呼吸困難NRS (Numerical Rating Scale: 0~10の数値評価スケール)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本臨床試験は,保険適応外の薬物を用いる特定臨床試験となるため,現在,当大学の臨床治験センターと研究デザインなどについて協議を行っているところである.現時点では,本年度中に,承認を得て,臨床試験が実施可能となる予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に,当大学の倫理委員会にて特定臨床試験の承認を得て,さらに本臨床試験に参加予定の各施設の倫理委員会の承認を経て,臨床試験を開始する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
特定臨床研究の承認が本年度には得られなかったため,分担者森および森田に関しては,200,000円を平成4年度に繰越し,次年度に同様の計画を実施予定である.
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