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2021 年度 実施状況報告書

ALアミロイドーシスにおける線溶系マーカーPAPの重要性とメカニズム解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K07391
研究機関熊本大学

研究代表者

上野 志貴子  熊本大学, 病院, 助教 (40571047)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードPAP / ALアミロイドーシス
研究実績の概要

ALアミロイドーシスにおいてPAPが優位に上昇することはすでに確認している。
今回、PAPのALアミロイドーシス予後の意義について詳細に解析した。PAP値は心臓あるいは腎臓のいずれかのみに病変を有する症例よりも心臓と腎臓の双方に病変を有する症例で有意に高値であった。これは、PAPの上昇は沈着したアミロイドの量に関係することが示唆される結果であった。
各症例を診断時のPAP値に応じてLow (下位25%: 2.0 ug/mL未満)、Mid (中央50%: 2.0-7.0 ug/mL)、High (上位25%: 7.0 ug/mL以上)に分類し、PICのデータがMidとHigh群を対象に治療に伴うPAPの変化(低下)を解析した。解析の結果、6ヵ月時点では血液学的奏功とPAPの低下率は関連を認めないが、12ヵ月時点では血液学的奏功群では有意にPIC低下率が低かった。
次に、PAPの低下と予後との相関について検討した。 6ヵ月時点で血液学的奏功(VGPR以上)を得た症例は有意に予後良好であるが、血液学的奏功症例においても2年時点で20%の症例が死亡している。その2年以内の死亡例は全例6ヵ月時点のPAPの比率が診断時と比較して0.8以上であった症例であった。そこで、PAPの変化と診断時と比較した6ヵ月時点のPAP比率が0.8以上と0.8未満を比較すると有意に0.8以上の症例が予後不良であり、PAPの低下が得られない症例は、予後不良である、つまりPICの低下率は予後予測因子であることがいえる。つまり、PICはALアミロイドーシスの予後因子の1つであることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ流行の影響(臨床だけではなく、教育に割く時間が増えた)や臨床業務が増えたことにより、研究に要する時間が減った。また、臨床データの解析に時間を要した。

今後の研究の推進方策

臨床データは、ほぼ解析したので、現時点で論文とする予定(現在執筆中)。
今後は、なぜALアミロイドーシスでPAPが上昇するのか、基礎的な解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度に研究が進まず、ほとんど使用しなかった。しかし、臨床のデータは得られたので、現在執筆中の臨床データをまず論文化するために投稿料、英文校正料等を使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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