臨床的な解析結果を示す。 2013年5月から2021年4月までに熊本大学医学部附属病院で全身性ALアミロイドーシスと診断され、一貫したフォローアップを受けていた患者28名からデータを収集した。心アミロイドーシスと腎アミロイドーシスの両方を有する患者は、アミロイドーシスの1つの臓器病変のみを有する患者に比べ、ベースラインのPIC値が有意に高かった。血液学的VGPRを有する患者は、治療開始後12ヶ月のPIC比(治療後のPIC値/ベースラインPIC値)が、血液学的VGPRを有しない患者と比較して有意に低かった。さらに、治療開始後6ヶ月の時点でPIC比が高い(0.8以上)患者は、PIC比が低い(0.8未満)患者に比べ、生存期間が有意に短かった。血液学的奏効と治療開始6ヵ月後のPIC比を組み合わせることで、患者の予後を3群にうまく層別化することができた。本研究は、ベースラインのPIC値が患者内のアミロイド負担を反映している可能性があること、そしてベースラインからのPICの減少が全身性ALアミロイドーシス患者の予後に影響を及ぼすことを示している。
|