研究課題/領域番号 |
21K07394
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
徳原 康哲 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (60746329)
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研究分担者 |
小原 一朗 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (60581775)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アミノ酸 / 次亜塩素酸ナトリウム五水和物 / 吸光度 / トリプトファン / ホモゲンチジン酸 / アスコルビン酸 / 質量分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、アミノ酸の新規発色法を開発し、生体試料中のアミノ酸を測定する臨床検査法への応用を目的とする。2023年度には、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンの新規検出法の開発に関する研究を実施した。さらに、エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI-MS)を用いたホモゲンチジン酸の検出に関する検討をおこなった。2023年度の主な研究成果を以下①、②に示す。 ①酸化剤である次亜塩素酸ナトリウム五水和物を用いた新規トリプトファン発色法に関する基礎的検討をおこなった結果、トリプトファン水溶液に塩酸および次亜塩素酸ナトリウム五水和物を添加すると赤褐色に発色した。さらに、次亜塩素酸ナトリウム五水和物の添加濃度を上げると濃度上昇とともに発色は強くなった。 ②ホモゲンチジン酸は、アミノ酸の一つであるチロシンの中間代謝産物であり、アルカプトン尿症の患者尿中に大量に排泄される。アルカプトン尿症の診断には、ガスクロマトグラフィ質量分析法による尿中のホモゲンチジン酸の検出が実施されているが、今回は新たにESI-MSを用いたホモゲンチジン酸の検出に関する基礎的検討をおこなった。その結果、ホモゲンチジン酸の検出だけではなく、アスコルビン酸の混入もESI-MSにより同時に検出することができ、ESI-MSは尿中のホモゲンチジン酸検出に有用である可能性が示唆された(Tokuhara Y et al. J Clin Lab Anal 2023)。 研究期間全体(2021~2023年度)を通じて、研究代表者が責任著者として3編の論文発表(英文誌2編、邦文誌1編)、そして6件の国内学会発表を行った。さらに、2023年度には日本臨床化学会の奨励賞を受賞する等、 アミノ酸やその代謝産物を検出する新たな方法に関する研究成果を国内外に発表することができた。
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備考 |
2023年度 日本臨床化学会 奨励賞 受賞:新規トリプトファン発色法の考案
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