研究課題/領域番号 |
21K07408
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
山田 啓策 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 研究員 (10894793)
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研究分担者 |
田口 歩 愛知県がんセンター(研究所), 分子診断TR分野, 分野長 (50817567)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大腸癌 / 大腸腺腫 / 早期診断 / プロテオミクス / 血液バイオマーカー / 自己抗体 / 便潜血陽性 |
研究実績の概要 |
大腸癌の早期診断は、大腸癌の死亡率を低下させるのに有効なアプローチであるが、現在対策型検診として行われている免疫法便潜血検査は疑陽性率が高く、また早期大腸癌や前癌病変である高リスク大腸腺腫に対する感度も十分ではないことから、簡便でより精度が高い大腸癌早期診断法の開発が急務である。血液中のタンパク質や自己抗体は、癌の早期診断やスクリーニングに有用なバイオマーカープラットフォームである。本研究では、正常対照、低リスク・高リスク大腸腺腫、早期・進行大腸癌患者由来の血漿検体を用いて、血中タンパク質と自己抗体の網羅的かつ高深度なプロファイリングを行ったところ、大腸腺腫から大腸癌の病態進展を非常によく反映する血中タンパク質シグネチャを見出した。このシグネチャに含まれる血液タンパク質について、アッセイを最適化し、独立したサンプルセット150例(正常、低リスク大腸腺腫、高リスク大腸腺腫、早期大腸癌、進行大腸癌各30例)における初期検証を行った。正常VS大腸腫瘍性病変(大腸腺腫+大腸癌)、正常VS大腸腺腫において、検証できたバイオマーカーの組み合わせは、それぞれAUC 0.819、0.918と、いずれもCEA単独のAUC (0.584、0.530)より有意に高い診断精度を達成したことから、大腸腺腫を含めた大腸がんの早期診断に有用であると考えられた。この初期検証において有望であったバイオマーカーについては、現在229例の便潜血陽性者(うち高リスク大腸腺腫49例、大腸癌24例を含む)からなる血漿検体セットでの検証を進めている。
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