研究課題/領域番号 |
21K07412
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐治 越爾 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00706418)
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研究分担者 |
河内 泉 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40432083)
清水 宏 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (40608767)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム / 視神経脊髄炎 |
研究実績の概要 |
視神経脊髄炎関連疾患(NMOSD)は中枢神経系自己免疫疾患の代表的疾患である.以前は,多発性硬化症の一亜型とされてきたが, 視神経脊髄炎患者血清においてアストロサイトに発現するアクアポリン4水チャネルに対する自己抗体の発見以降,NMOSDは自己免疫性アストロサイトパチーとして,多発性硬化症とは異なる疾患として分離独立した.NMOSD再発予防のために副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤による免疫治療が行われているが,再発を抑制できない症例や治療の副作用に悩んでいる症例が存在する.近年,新たに補体やサイトカインなどを標的とした高い有効性を持つモノクローナル抗体製剤がNMOSDの治療の選択肢として追加された.しかし,個々の患者において再発リスクやどの薬剤が最適であるかを予測するバイオマーカーは存在していない.本研究では,細胞間コミュニケーションツールとしての細胞外小胞の臓器特異性に着目して再発および治療反応性に関わる分子マーカーを探索し,視神経脊髄炎の個別化医療の確立を目指すことを目的とした. 本年度は、ヒト血清検体よりホスファチジルセリン(PS)特異的に結合するTim4タンパク質と磁気ビーズを利用したPSアフィニティ法により細胞外小胞を単離した.細胞外小胞のマーカー分子であるCD63抗体およびCD81抗体を用いて,単離した細胞外小胞をフローサイトメトリーで検出できることを確認した.つづいて末梢血単核球を刺激した培養上清での細胞外小胞の検出を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フローサイトメトリーにより細胞外小胞を検出できることを確認したが,細胞外小胞の産生細胞の特定には至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,細胞外小胞の臓器特異性を明らかにするため,想定される産生細胞のマーカーと組み合わせて細胞外小胞の検出を進めていく.研究の進捗を進めるため研究協力者を増員することも検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
このために次年度, 使用額を生じた. RNAシーケンスの効率性を考慮し、十分なサンプル数を収集した段階で一括して解析を行う予定である.
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