研究課題/領域番号 |
21K07420
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
勝元 敦子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員講師 (20806161)
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研究分担者 |
竹内 英之 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (30362213)
田中 章景 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30378012)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ミクログリア / タウ / アミロイド |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病(Alzheimer’s disease;AD)の病態を特徴づける病理所見として、神経細胞内の異常リン酸化タウ凝集(タウ病理)とアミロイドβ(Aβ)の細胞外沈着(アミロイド病理)が挙げられる。近年、疾患関連ミクログリア(disease-associated microglia)と呼ばれるミクログリアの特異なサブタイプがRIPK1(receptor interacting protein 1 kinase)依存性に産生され、神経炎症を惹起しアミロイド病理を増悪させることが報告されている。一方、我々はRIPK1の機能を抑制する分子TAK1(Transforming growth factor (TGF)-β-activated kinase 1)が、タウ蓄積AD動物モデルで神経炎症に対し保護的に作用する実験結果を得たことから、RIPK1によるアミロイド病理とタウ病理の関連を考えた。本研究では、RIPK1のタウ病理への影響およびADの病態形成への関与を明らかにし、RIPK1による神経炎症を抑制することで、アミロイド病理、タウ病理の両者を制御するADの新たな治療法開発への展開を目指している。
アミロイド蓄積モデルにおいてミクログリア特異的TAK1除去により、RIPK1発現、ミクログリア活性、アミロイド沈着に関して免疫組織学的検討を行った。RIPK1発現はコントロール群と変化なかった。タウ蓄積モデルでTAK1が神経炎症に保護的に作用したのに対し、アミロイド蓄積モデルでは、TAK1除去群でミクログリア活性およびアミロイド沈着が軽減し、相反する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アミロイド蓄積AD動物モデルにおいてミクログリア特異的TAK1除去により、RIPK1発現、ミクログリア活性、アミロイド沈着に関して免疫組織学的検討を行った。アミロイド蓄積モデルにおいては、RIPK1-TAK1経路に寄らない神経炎症経路の存在が示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
アミロイド蓄積AD動物モデルに関して、RIPK1活性およびミクログリア活性に関与する経路を検索していく。 さらにミクログリアに発現するRIPK1のADタウ病理への関与を検討するため、初代培養ミクログリアにAβを投与し、ミクログリアにおけるRIPK1活性化誘導、貪食能、インフラマソーム活性、炎症性サイトカイン産生を比較検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は免疫組織学的染色を主体に行ったため、残額が生じた。次年度は培養細胞系やマウスを用いた実験も多く行う予定であり、抗体をはじめとする試薬、消耗品の購入に使用する計画である。
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