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2021 年度 実施状況報告書

アミノ酸固定化カラムと神経筋接合部に対する病原性自己抗体

研究課題

研究課題/領域番号 21K07430
研究機関長崎総合科学大学

研究代表者

本村 政勝  長崎総合科学大学, 工学研究科, 教授 (70244093)

研究分担者 松尾 秀徳  独立行政法人国立病院機構長崎川棚医療センター(臨床研究部), 医歯(薬)学総合研究科, 教授(移行) (20380975)
吉村 俊祐  長崎大学, 病院(医学系), 助教 (70746635)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードアミノ酸固定化 カラム / 病原性自己抗体 / 神経筋接合部 / 重症筋無力症 / ランバート・イートン筋無力症候群
研究実績の概要

研究の目的は、アミノ酸を固定化したアガロース担体カラムを作成し、アミノ酸固定化カラムがどのような機序で免疫グロブリン(Ig)を吸着するかを解明する。 方法は、20種類のアミノ酸をアガロース担体カラムに固定化し、健常者の血清を用いて、アフィニティークロマトグラフィー法でIgの吸着・溶出実験を行った。その結果、IgG吸着率の平均(n=3)は、高い順に、Protein Gカラム93.6%、Protein Aカラム84.6%、トリプトファン(Trp)カラム61.3%、アスパラギン酸カラム16.0%、フェニルアラニンカラム15.3%、バリンカラム11.0%、トレオニンカラム10.8%、残りのアミノ酸カラムは10%以下であった。対応のある分散分析とANOVA後の事後検定で、Trpカラムと他のアミノ酸カラムとのペアの多くでp <0.0001の統計的有意性が示された。考察では、Protein G > Protein A > Trpカラムの順に健常者血清中のIgを吸着できることを示された。この結果は、これまでの臨床で使用されているTrp固定化カラム(イムソーバTR)の有用性を強く支持する結果と思われる。以上より、Trp固定化カラムの吸着機序は、Protein A/Gカラムと類似で、免疫グロブリンの吸着によることが強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

現時点では、上記の実験結果をまとめて、論文作成中である。この論文は、基礎医学の分野の雑誌に投稿予定である。

今後の研究の推進方策

今後は、重症筋無力症の病原性自己抗体であるアセチルコリン受容体(AChR)抗体と筋特異性受容体型チロシンキナーゼ(MuSK)抗体、及び、ランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)のP/Q型電位依存性カルシウムチャネル(VGCC)抗体などの各種病原性自己抗体を有する検体を用いて、今回のアミノ酸固定化カラムの吸着能を評価する。最終的には、実際の臨床現場で使用されているポリビニールアルコール担体のTrp固定化カラム、イムソーバTRと患者検体を用いた実験を予定している。そのために、旭化成メディカル株式会社からイムソーバTR(TR-350)とイムソーバ(PH-350)を提供して戴き、長崎大学病院の倫理委員会にこの研究を承認して戴く準備を行っている。

次年度使用額が生じた理由

共同研究者が次年度に繰り越したため。次年度は、共同研究者と密に連絡を取り使用を進めていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アミノ酸固定化カラムと神経筋接合部に対する病原性自己抗体2022

    • 著者名/発表者名
      本村 政勝、赤石 哲也、池 浩司、清水 悦郎、吉村 俊祐、辻野 彰、石井 正、青木 正志、松尾 秀徳
    • 学会等名
      神経免疫班 AMED難治性疾患実用化研究班 令和3年度 合同班会議

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公開日: 2022-12-28  

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