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2022 年度 実施状況報告書

MAIT細胞による脳梗塞急性期病態制御機構の解明と新規治療開発の基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K07442
研究機関自治医科大学

研究代表者

田中 亮太  自治医科大学, 医学部, 教授 (40407284)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードMAIT / 自然リンパ球 / 脳梗塞急性期 / 炎症性サイトカイン / IL-17
研究実績の概要

本年度はコントロール、軽症脳梗塞(小梗塞)、重症脳梗塞(大梗塞)のそれぞれの症例から同意を取得し、血液サンプルを収集し解析を進めた。これまでにコントロール群17例、軽症脳梗塞20例、重症脳梗塞14例を登録した。脳梗塞急性期(約3日目)の末梢血MAIT細胞の比率はコントロールに比し重症例で減少していた (コントロール群 0.59±0.75% vs 軽症群 0.59±0.59%, 重症群 0.11±0.06%)。その後は2週目、3週目にかけてMAIT細胞は徐々に増加した。活性化したCD69陽性MAIT細胞は脳梗塞急性期で増加示しているが、特に2週目、3週目でコントロールに比し有意に上昇していた(コントール群 20.1% vs 27.1% for 1wk vs 38.0% for 2wks vs 38.1% for 3wks)。炎症性サイトカインのIL-17を産生するMAIT細胞はコントロールに比し、重症例で有意に上昇していた (コントロール群 0.80±0.60%, 軽症群 1.50±1.86%, 重症群 2.11±2.32%)。一方軽症例ではコントロールに比し有意な差は認められなかった。MAIT細胞以外の自然リンパ球であるγδT細胞とiNKT細胞については、コントロールと比して数の増減は目立たず、活性化やIL17産生能とも有意な差は認めなかった。
自然リンパ球のうち末梢血MAIT細胞は特に重症例(大梗塞)で急性期に減少し、活性化マーカーを発現し、IL-17産生能が亢進していた。脳梗塞急性期、特に重症脳梗塞の病態にMAIT細胞が大きく影響していると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は順調に解析を進めることが出来た。

今後の研究の推進方策

各群の登録目標症例数を目指し、確実に症例登録できるようしていく。また、自然リンパ球と同時に採血した検体を用いて、血清サイトカインを測定しMAIT細胞の活性化との相関を解析していく。最終的には臨床情報と照らし合わせ、脳梗塞急性期の病態におけるMAIT細胞の役割を明らかにしていく予定。

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公開日: 2023-12-25  

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