研究実績の概要 |
多系統萎縮症は、α-シヌクレインからなる封入体(グリア細胞質内封入体)のオリゴデンドログリアにおける形成を特徴とする。発症早期での診断技術を確立し、病態進行を鋭敏に反映するバイオマーカーを確立することが喫緊の課題である。本研究では、多系統萎縮症における3つの病態:①α-シヌクレイン沈着、②オリゴデンドログリア障害、③神経変性に着目し、それぞれの病態を反映するバイオマーカーを確立することを目指している。 昨年度、多系統萎縮症患者で、神経変性マーカーである脳脊髄液NfLと運動症状の解析を行い、脳脊髄液NfLの高値は運動症状の進行速度と相関することを示した。 この結果を、Tokutake T, et al. Clinical correlations of cerebrospinal fluid biomarkers including neuron-glia 2and neurofilament light chain in patients with multiple system atrophy. Parkinsonism Relat Disord. 102:30-35, 2022としてとして論文発表を行った。 本年度は、昨年度の成果を踏まえ、脳脊髄液バイオマーカーのみならず、血液中のバイオマーカーの解析を開始した。具体的には血液中のNfLの解析を開始し、脳脊髄液バイオマーカーとの関連など検討を開始した。
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