研究課題/領域番号 |
21K07458
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
橋詰 淳 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (00637689)
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研究分担者 |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
山田 晋一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60828375)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 球脊髄性筋萎縮症 / バイオマーカー / 予後規定因子 / 女性保因者 / 複合的重症度評価指標 / prodromal |
研究実績の概要 |
本研究は、我々が構築し、既に継続的に運動機能評価やバイオマーカー評価を横断的、縦断的に行ってきた球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者レジストリを利用し、SBMA患者の予後規定因子を同定することを第一の目的としている。本研究では、予後規定因子を同定するために、既に構築されている患者レジストリを利用したうえで、さらに継続的に患者データを拡充するとともに、従来から登録を行ってきた発症後患者に加え、明確な筋力低下を伴わないprodromal期患者、ならびに女性保因者をさらに積極的に登録することにより、病初期から進行期まで一気通貫に解析し予後規定因子を同定する。 令和4年度終了時点で、レジストリには350例が登録され横断的・縦断的検討を開始している。本研究では、「自覚症状を有しない男性SBMA」として定義される超早期男性患者もSBMA疾患データベースに加え横断的・縦断的検討を実施した。超早期男性患者は自覚的症状に乏しく、それらの長軽微な症状を検出するための新たな複合的評価指標、SBMAFC(Spinal and Bulbar Muscular Atrophy Functional Composite)を開発し論文発表するとともに(Sci Rep 19; 12: 17443. 2022.)、女性保因者および超早期患者の臨床症状やバイオマーカーの関係性を検討し、男性超早期患者には「神経原性変化」に加えて「筋原性変化」がある一方で、女性保因者では「神経原性変化」のみが観察され、SBMAの早期病態には「神経原性変化」が強く関わっていることが示唆されたことについて、Neurology誌に発表した(Neurology. 100: e84-e93. 2023.)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存情報のデータベースの入力、新規研究対象者の組み入れ等、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現状、研究はおおむね順調に進捗している。現在、本疾患の遺伝的性質に対する認識調査を行う際に患者市民参画(PPI)も同時に進めており、さらなる組み入れを進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた患者検査の一部ができなかった為、令和5年度に行う予定である。
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