研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルマウスとしてヒトsuperoxide dismutase1 G93A変異トランスジェニックマウス(SOD1 Tg)を用いて、組織マクロファージと循環 マクロファージを各々緑色蛍光と赤色蛍光で生体内弁別可能とするCX3CR1-GFP/CCR2-RFPヘテロノックインマウスと交配させることで、CX3CR1-GFP/CCR2- RFP/SOD1 Tgマウスを作出した。続いて、野生型マウスを用いて、sublethalな投与量での大腸菌由来リポ多糖(lipopolysaccharide, LPS)またはpoly(I:C)投与の 反復可能な条件検討を行い、至適条件を得た。そこで、CX3CR1-GFP/CCR2-RFP/SOD1 Tgマウスおよび対照群のCX3CR1-GFP/CCR2-RFPマウスに対して、条件検討済み のsublethalな投与量での大腸菌由来リポ多糖(lipopolysaccharide, LPS)、poly(I:C)、あるいは生理食塩水を、病初期である12週齢から15週齢まで週1回・4週 連続投与を行い、臨床経過および経時的な病理学的解析を行った。LPS投与群に比して、poly(I:C)投与群においては、有意な病勢悪化を認め、脊髄へのCCR2陽性単球浸潤と相関していた。以上より、全身炎症に伴うALS病勢進行におけるCCR2陽性炎症性単球の関与が示唆された。
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