研究課題/領域番号 |
21K07466
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
笠井 高士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70516062)
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研究分担者 |
吉田 英樹 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (30570600)
渡邊 義久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50363990)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Pgk / パーキンソン病 |
研究実績の概要 |
申請者は解糖系酵素欠損症の一つであるPGK欠損症がヘテロ保因者において若年性Parkinson病(PD)を発症することを発見したことを契機に『PGK活性の低下がドパミン神経障害を生じる』さらには『PGK活性を薬物的に調節補完することがPD病態抑制につながる』との着想を持ち研究を進めている。本課題ではこれまでに構築したPD類似表現型を示すPGK機能喪失ショウジョウバエを用い①新規PGK活性促進薬剤候補を候補分子選択的および半網羅的に探索する。また研究において確立するPGK活性測定系と自身の保有する患者コホートを用い②PD患者におけるPGK活性低下の有無の検証、PGK活性低下者の臨床的特徴を明らかにすることを主たるテーマとしている。2021年度は②のテーマについて解析した。 京都府立医科大学が保有するパーキンソン疾患コホートおよび認知症性疾患研究コホートから68名のPD患者群及び34名の対照群の赤血球サンプルを抽出した。適切な赤血球溶血条件を確認した上で、PGK活性を比色分析を用いて測定し酵素活性をヘモグロビン濃度で補正した。対照群では加齢に伴いPGK活性が上昇する傾向が認められるが、PD群では年齢依存的な変化が見られないこと.65歳以下の比較的若年の被検者ではPD群で対照群より有意に酵素活性が高かいことを確認した.多変量解析では,PD群においてPGK活性はダットスキャンのSBR値と負に相関し,L-ドパ換算用量と有意に相関しないことが明らかになった.赤血球PGK活性は生理的な加齢やPD若年期に上昇し,エネルギー代謝障害に対する代償機構が関与している可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はCOVID19流行のため断続的に実験が中断する環境になったためショウジョウバエモデルをもちいた検討は難しかった。一方で赤血球中酵素活性検定は研究中断の影響を受けにくいため一定の進捗を得ることができた
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今後の研究の推進方策 |
モデルショウジョウバエを用いた、PGK活性促進薬剤候補を候補分子選択的および半網羅的に探索に着手する。
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