研究課題/領域番号 |
21K07476
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金原 信久 千葉大学, 社会精神保健教育研究センター, 講師 (70507350)
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研究分担者 |
伊藤 文晃 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (10535157)
仲田 祐介 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (40836962)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ドパミントランスポーター / GABA / クロザピン / ドパミン過感受性 |
研究成果の概要 |
治療抵抗性統合失調症(TRS)のドパミン信号に関わる分子をコードする遺伝子群の多型関連解析を実施した。SLC6A3遺伝子のrs3456450の分布がTRS群は非TRS/健常者群と異なった。COMT遺伝子の多型と組合せるとTRS群は“低ドパミン”状態の遺伝子型が頻度として高いことを見出した。GABA信号の指標である皮質抑制CSPに関するメタ解析を実施し、clozapineは他の抗精神病薬と異なりCSPを有意に延長させることが示した。TRS患者のサブタイプ(早発型と後発型)別のclozapineの反応性の検証で1年後のCGI-Cで早発型に比し後発型はより大きな反応を示すことを見出しつつある。
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自由記述の分野 |
精神医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TRSに対するclozapineの反応性に関して、ドパミン系信号が関わる可能性、またclozapineがGABA信号を強化させることを示唆する。このことはclozapineの作用機序に関する理解を進めるものである。また臨床的にclozapineは後発型TRSにより効果が期待される可能性がある。後発型TRSの多くはドパミン過感受性との関連が推定されることから、ドパミン過感受性形成状態はclozapineによる反応性と関係することが示唆される。これらは臨床的にclozapineの適応や導入時期の判断に有用となる可能性があると考えられる。
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