研究課題/領域番号 |
21K07477
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉永 清宏 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (10896103)
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研究分担者 |
杉本 篤言 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (40757556)
江川 純 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (80648527)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ゲーム障害 / インターネット・ゲーム依存 / 脳磁図 |
研究実績の概要 |
ゲーム障害患者群3名の脳磁図データを取得し、作成したCue刺激課題で目的とする脳活動をとらえられるかどうか検討を行った。共通する所見として、cue条件の方が全体的に振幅が大きく、より大きい反応を惹起している。また、cue条件において、120msecに大きな反応があることは共通しており、cue条件で両側紡錘状回の強い反応を認めた。両側側頭極に近い下側頭回や中側頭回でも,わずかに部位や反応強度はは異なるものの,2名ともがcue条件でもbase条件でも反応を認めた。下および中側頭回ではcold-executive functionに関するメタ解析で対照群に比してIGD群で強い活動性を認めており(Yao, Y. W. and Fang, X. Y., 2017),先行研究の結果を今回作成した課題により追認できる可能性が示唆された。当初に標的部位としていた脳部位とは異なるが,パイロットデータでは紡錘状回に強い反応がみられた。今回は健常対照群のデータを取得していないためこれがIGDに特異的な反応なのか一般的な反応なのか現時点では不明だが,注意欠如多動症を併存するIGD患者で紡錘状回と下側頭回の接続の異常を指摘する報告(Kim, M. et al., 2020)があり,これらは異常な視覚処理がADHDをIGDの重症度と関連付けるとされている。IGDの病態と関連する可能性のある反応として,患者群と対照群とのグループ比較の差異には注目すべきと考えた。本研究で開発したcue刺激課題および実験系を用いて,IGD患者対象研究,グループ心理療法の効果判定研究などにつなげたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響もあり、脳磁図測定を行うまでに時間がかかっている。また、ゲーム障害患者のリクルートにおいても、研究参加の条件に当てはまる参加者が想定より少ないため、サンプリングに時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
ゲーム障害の新患外来を引き続き行いながら、参加者のリクルートを行なっていく。地域のセミナーや関連機関に対しても、該当患者さんがいれば紹介していただけるよう周知していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
脳磁図解析を行うための機器、ソフトを購入した。昨年度は新型コロナウィルスの影響もあり、測定期間が限られていたこと、研究対象者が予想より少なかったこともあり、当初の予定額より少ない出費となっている。本年度は、健常対照群も含めて脳磁図測定を行うため、その謝礼、MRI使用量などに研究費を使用する予定である。
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