研究課題/領域番号 |
21K07479
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 長秀 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (50846714)
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研究分担者 |
富田 博秋 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90295064)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 産後うつ病 / GWAS |
研究実績の概要 |
名古屋大学および関連病院から収集された妊産婦1002検体を東北大学に送付し、Japonica array NEOを用いて65万SNPをgenotypingした。日本人リファレンスパネル(4.2KJPN)を元にインピューテーションを行い、Quality Control(Hardy-Weinberg Equilibrium解析, imputation精度)を行い 、頻度1%以上の618万SNPについてgenotypingデータを取得し、複数回出産をしている妊婦については、初産のデータのみを使用した。IBD解析を行い、血縁関係にある妊婦を対象から除外し、PCA解析によりPopulation stratification analysisを行い、PC1-10および産前のうつ状態をcovariateとして産後うつ病発症群 vs 産後うつ病未発症群で関連解析を行い、染色体9番のABO遺伝子上に位置するSNPがゲノムワイドに有意な関連を示すことを見出した。東北メディカルメガバンクの検体を用いて、replicationを行ない、有意な関連が見られ、論文を作成し投稿したが、東北メディカルメガバンクをDiscovery cohortとして解析を行ったところ、新たなシグナルが見つかり、順番を入れ替えて両者を統合したデータにて論文を再投稿した。 メタボローム解析については、妊娠中・産後を通じて抑うつ状態の見られなかった妊産婦と産後にのみうつ状態の見られた妊産婦の血漿中の代謝物170について解析を行い、結果として、7つの代謝物が、産前・産後において変化していることを見出し、産後うつ病の病態に関連していることが示唆され、Pathway解析を行ったが、東北メディカルメガバンクの検体では再現されず、偽陽性の可能性が高いと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定していた解析はほぼ終了した。メタボローム解析では有意な結果は得られなかったが、GWASにてリスクアレルの同定を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はさらにサンプル数を拡大し、浜松医科大学母と子の出生コホートとも協力して研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
投稿中の論文がアクセプトになっておらず、アクセプトとなった時点で掲載料が必要なため。
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