研究課題/領域番号 |
21K07483
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
高宮 考悟 宮崎大学, 医学部, 教授 (40283767)
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研究分担者 |
緑川 良介 宮崎大学, 医学部, 助教 (20470320)
蔦島 譲治 宮崎大学, 医学部, 研究員 (20771257)
内田 琢 宮崎大学, 医学部, 助教 (60464137)
若園 佳彦 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90377755)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | グルタミン酸受容体 / シナプス可塑性 / 糖鎖 / 高次脳機能 / 精神疾患 |
研究実績の概要 |
AMPA 型グルタミン酸A受容体(AMPA-R)の細胞外N型糖鎖修飾に着目し、受容体タンパク質のN型糖鎖修飾によるチャンネル機能の調節を介した神経伝達とシナプ ス可塑性への制御機構を研究してきた。これまでに、AMPA-Rのうち4つのサブユニットはそれぞれ4-6ヶ所のN型糖鎖修飾部位を持つが、GluA1サブユニットの GluA1 N401(401番目のアスパラギン)だけは、その約半数がN型糖鎖修飾を受けないこと、GluA1 N401は、他の部位と異なり発達段階で異なった糖鎖修飾率で、 それによるチャンネル活性の違いを有し、脂質ラフトに捕捉されることにより神経活動依存的に新たな神経伝達効率を示すユニークなシナプスを形成することが わかった。以上の研究結果からAMPA-RのN型糖鎖修飾の有無が生理的条件下においてシナプス可塑性を直接調節し、さらに脳高次機能を制御する仮説が生まれ、 シナプス可塑性の未知の制御機構であることが示唆された。さらにin vivoでGluA1 N401の糖鎖修飾を阻害するGluA1 N401Qノックインマウスを作成し、その行動 学的解析で脳高次機能やうつ病に対するAMPA-Rの糖鎖修飾の重要性が明らかとなってきた。 本研究においてこれまでに、GluA1サブユニットの GluA1 N401(401番目のアスパラギン)部位にアミノ酸変異を加えN型糖鎖修飾が起こらなくしたノックインマ ウスを作成し、その解析を中心として研究を進めてきた。その結果ノックインマウスでもin vitroの実験で得られた結果と同様の現象が確認された。さらに行動 実験において、海馬を主とする記憶・学習能の障害がみとめられた。また一連の行動解析(テストバッテリー)をおこなうことにより、うつ病、統合失調症への AMPA-RのN型糖鎖修飾の関与が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
使用するマウスの繁殖がなかなか安定せず、必要なマウスの数の確保が十分にできていないが、論文作成のために必要な情報が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
AMPA型グルタミン酸受容体のN型糖鎖修飾による神経機能解析実験は、本研究申請でほぼ完了したと考えている。今後、論文作成のための補足的データ収集と、研究中に新たにわかったAlzheimer病への関与を解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今後、論文作成にあたり論文の英語校正料と掲載料が必要となる可能性があるため。
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