研究実績の概要 |
本年度は31例の入院治療を行なったBPSDの前後比較を行ない、BPSDの種類による治療反応性の差を検討した。結果、31例の平均年齢は86.5歳、 女性が74%、平均MMSEスコアは10.5、平均NPIスコアは15.4であった。BPSDの種類をNPI下位スコアを主成分分析によって、1)精神病・情動症候、2)行動・概日リズム症候、3)興奮・無関心症候の3症候に分類した。各症候クラスターのうち、行動・概日リズム症候のスコアと治療期間との有意な相関関係(P=0.017, ρスコア=-0.20)がみられたが、向精神薬服服用との有意な関連性は定かではなかった。一方でBPSDのなかでも無関心の重症度は時間経過は悪化傾向があり、治療反応性は症状によって大きく異なると考えられた。今後はさらに候補部位のDNAメチル化量と治療反応性の関連を検証する。
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