研究実績の概要 |
【目的】SETD1A遺伝子は統合失調症の発症に大きな効果を持つリスク遺伝子として、白人において同定されたが、他の人種では統合失調症との関連は明らかにされていない。本研究の目的は、SETD1A遺伝子が日本人においても統合失調症の発症に大きな効果を持つリスク遺伝子であることを明らかにし、統合失調症の病態解明および根本的な治療法を開発するための分子基盤を得ることである。 【方法】日本人統合失調症患者984人を対象として、SETD1A遺伝子のタンパク質コード領域をサンガー法によりシーケンスした。これにより同定された変異の中で、新規のミスセンス変異2個を候補リスク変異として選択し、症例・対照サンプル(2,027対2,664)を用いて、TaqMan法によりそれらの遺伝型を決定した。これら2つの変異について、患者3,001人と対照者2,664人における関連解析を行った。 【結果】のSETD1A遺伝子のシーケンスにより、40個の変異を同定した。公的データベースに登録されていない新規のミスセンス変異2個(p.Ser575Proとp.Glu857Gln)を候補リスク変異として選択した。これら2個の新規ミスセンス変異は、症例・対照サンプルには見いだされなかった。これら2つの変異と統合失調症との有意な関連は認めなかった。
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