研究課題/領域番号 |
21K07504
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
近藤 毅 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40215455)
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研究分担者 |
座間味 優 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60896570)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大うつ病性エピソード / 抑うつ性混合状態 / DMX-12 / 自閉スペクトラム症 / 炎症性サイトカイン / 神経栄養因子 |
研究成果の概要 |
自閉スペクトラム症(ASD)の併存が抑うつ性混合状態(DMX)に及ぼす影響を検討し、ASDでは非ASDより破壊的感情/行動を特徴とするDMXを呈しやすく、ASDがDMXの寄与因子となることが示された。ASD患者では抑うつに潜在する混合状態を見極め、混合状態に即した安全な行動管理や薬物療法を行う必要性が示唆された。 次に、DMXにおいて、神経炎症や神経保護に関連する生物学的指標の血清動態を検討した。ASD群では神経栄養因子(BDNF)が非ASD群よりも高く、BDNF値はDMX重症度への有意な寄与因子であった。重度の抑うつでは代償的にBDNFが増加し、DMXの表現型をとる可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
精神神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的および社会的意義については、まず一つに、自閉スペクトラムの特性を有する大うつ病エピソードにおいて、潜在する抑うつ性混合状態の存在を見極め、適切な行動管理や薬物療法を行う必要性を臨床上明確に示した点にあり、自閉特性のある若年のうつ病患者への安易な抗うつ薬導入に警鐘を鳴らすものである。 また、これまで生物学的病態が不明であった抑うつ性混合状態において、予想と異なり神経栄養因子が逆説的に上昇することを示し、うつ病の重症化に拮抗する形で代償的にBDNFが増加し、表現型として抑うつ性混合状態を生じうる、といった一種の神経再生の過程であるとの新たな仮説を提供した研究としても意義深い。
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