研究課題/領域番号 |
21K07506
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
鹿内 浩樹 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (00632556)
|
研究分担者 |
泉 剛 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60312360)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | うつ病 / 動物モデル / 海馬 / テロメア / miRNA / オレキシン受容体 |
研究成果の概要 |
本研究では、うつ病モデル動物の海馬におけるテロメア長短縮のメカニズムを解明するために、miRNAに注目した分子生物学的解析を試みた。マイクロアレイ解析により、うつ病モデルの海馬においては複数のmiRNA発現異常が認められた。しかしパスウェイ解析では、いずれのmiRNAもテロメア長制御に対し直接的な関与は認められなかった。一方で、あるmiRNAはオレキシン受容体の発現制御をしていることに着目し、うつ病モデルの海馬における発現量を解析したところ、オレキシン1受容体の過剰発現を発見した。すなわち本研究では、うつ病と細胞老化の関係について研究を進める新しい糸口をつかむ結果となった。
|
自由記述の分野 |
神経薬理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでうつ病の病態は、「モノアミン仮説」や「ダウンレギュレーション仮説」など抗うつ薬の薬理作用機序から導かれたものであった。そのためこれまでの病態仮説に基づくうつ病の創薬は、抗うつ薬が作用するモノアミン系に限られていた。しかし近年、うつ病の約3割は既存の抗うつ薬が無効である「治療抵抗性うつ病」が大きな問題となってきている。このアンメットメディカルニーズに対応するためには、既存の治療薬とは異なる機序の抗うつ薬の開発が求められている。本研究により、miRNAおよびオレキシン受容体がうつ病治療の新たなターゲットとして示された。これはうつ病の全容解明を進める一助となる学術的意義を示すものである。
|