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2022 年度 実施状況報告書

統合失調症治療薬としての抗酸化ストレス作用を有する新規化合物の有用性

研究課題

研究課題/領域番号 21K07511
研究機関金沢医科大学

研究代表者

上原 隆  金沢医科大学, 医学部, 准教授 (70303229)

研究分担者 片岡 譲  金沢医科大学, 医学部, 助教 (50896892)
鈴木 道雄  富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (40236013)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード統合失調症 / 抗酸化ストレス / 認知機能 / 新規治療薬
研究実績の概要

本研究は、未だ根本的な薬物療法がない統合失調症とその関連疾患に対して、われわれが独自に開発した抗酸化作用を有する新規化合物(特許出願中、特許2019-95359)の治療薬としての効果を見るものである。具体的には統合失調症のモデル動物(新生仔期にNMDA受容体拮抗薬であるMK-801を投与したラット)に新規化合物と対照薬として既存の抗精神病薬(オランザピン;OLA、クロザピン;CLZ、リスペリドン;RPD、ハロペリドール;HPDなど)を投与し、①行動学的指標として新奇物体探索課題、社会認知課題、プレパルス抑制テスト、メタンフェタミン誘発遺書運動量、②生化学的・組織学的指標として、前頭前皮質と海馬のモノアミン、グルタチオンとその関連酵素、パルブアルブミン妖精GABA神経数を測定し、既存の抗精神病薬に対する新規化合物の優位性を明らかにすることである。
2年目である本年度は初年度に引き続き、無処置ラットにおけるメタンフェタミン急性投与によるプレパルス抑制テスト、メタンフェタミン誘発運動量、前頭前皮質のドーパミン(DA)含有量に対する、新規化合物の急性投与の効果を確認した。その結果、対照薬であるOLAとRPDがメタンフェタミンメタンフェタミン誘発移所運動量増加を抑制したのに対し、新規化合物はさらに増加させた。一方プレパルス抑制やDA含有量についても新規化合物は影響を与えなかった。このことは新規化合物の急性投与はDA受容体に対して作用せず、メタンフェタミンによるDA放出増加をむしろ増強することが明らかとなった。
さらに動物モデルを用いて、新規化合物または既存抗精神病薬の慢性投与を行い前記の行動学的指標と生化学的指標について、測定を始めた。現在約5割が終了している。結果は現在解析を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

統合失調症のモデル動物(新生仔期にNMDA受容体拮抗薬であるMK-801を投与したラット)を用いて、新規化合物と対照群としてOLAとHPDを2週間投与したのち、行動学的指標の測定(新奇物体探索課題、社会認知課題、プレパルス抑制テスト)と生化学的・組織学的指標のための試料採集(前頭前皮質と海馬の)を行なっている。2年目である本年度内に、目標(n=120-130)の約半数を終了し、解析も開始している。これは当初の計画を上回るペースであり、概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

次年度(最終年度)は本年度に始めた、動物モデルを用いた実験を継続する。新規化合物または既存抗精神病薬の慢性投与を行い、①行動学的指標(新奇物体探索課題、社会認知課題、プレパルス抑制テスト)に対する効果を測定する。さらに②生化学的指標(前頭前皮質と海馬における、酸化型および還元型グルタチオン、スーパーオキサイドジスムターゼ(superoxide dismutase; SOD)、グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase; GPx)、脂質過酸化マーカーとしてのマロンジアルデヒド(malondialdehyde; MDA))について測定し、①との関連いついても検討する。これにより、統合失調症モデル動物の認知機能障害に対する抗酸化ストレス作用を持つ新規化合物の効果を考察する。

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公開日: 2023-12-25  

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