研究課題/領域番号 |
21K07527
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
臼井 千恵 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (70453587)
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研究分担者 |
井上 雄一 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (50213179)
桐野 衛二 順天堂大学, 医学部, 教授 (90276460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性疼痛 / 線維筋痛症 / スマートフォン / アプリ |
研究実績の概要 |
本年度は、既存アプリ「いたみノート」を用いて、日常生活情報、気象、痛みの情報を収集し、疼痛関連因子の解明をした。目的:1)慢性疼痛患者における1日の歩数と疼痛レベルの関連性を評価すること、(2)1日の歩数と疼痛尺度の関連性が曲線的であるかどうかを判断することとした。 方法:「いたみノート」とスマートフォン内臓歩数計から歩数データを収集し、痛みの期間と強さ、広域疼痛指数、症状重症度スコア、不眠症重症度スケールを測定した質問結果(うつ症状の7問を含む)に基づき、横断研究を実施した。歩数と疼痛尺度との関連は、制限付き三次スプラインモデルを用いて解析した。また、線維筋痛症の基準を使用し、サブグループ分析も行った。 結果:合計6138件の記録からデータ欠損のない1273件を解析した。平均年齢は38.7歳、81.9%(1043/1273)が女性、慢性疼痛は43.2%(550/1273)に5年以上持続していた。歩数がそれぞれ1日3045歩以上と5668歩の人は、1日1199歩以下の人に比べて、歩数の多さと疼痛尺度の低さの間に有意な正の相関を示した(平均差 -0.43, 95% CI -0.78~-0.08, P=.02; -0.45, 95% CI -0.8~-0.1, P=.01,)。歩数と疼痛尺度の関連について制限付き三次スプラインモデルを用いると、歩数の増加とともに急減し、その後緩やかに減少した(変曲点は5000歩)。しかし、この関連は、2000歩以下で急な正の増加を示した線維筋痛症491/1273)には観察されなかった。 結論:「いたみノート」で測定した歩数は、疼痛尺度との非線形な関連性を示した。線維筋痛症とそれ以外の慢性疼痛は歩数と疼痛尺度の間に負の相関を示したが、線維筋痛症は、慢性疼痛患者と比較して、歩行と痛み知覚の間に異なる機序が生じている可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で、実験遂行できない期間があったため
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今後の研究の推進方策 |
アプリによるセルフメディケーション効果を脳機能画像やPSG、唾液のメタボローム解析を用いて客観的検証する。 50例に対して専用アプリ使用前、3ヶ月後、半年後、1年後で安静時連続的にMRI撮像を行い、脳内の部位間の機能的連絡の変化を検証する。 同時にPSGを用いて睡眠変化の検証を行う。 唾液のメタボローム解析し、コルチゾールやBDNFなどの疼痛に特異的な代謝物プロファイルを同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の変更のため。 2022年度に使用計画あり。
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