研究課題
2022年度は、痛みはないが、疲労感、抑うつ、不眠など様々な症状を有したコロナ後遺症と、痛みがあり疲労感、抑うつ、不眠など様々な症状を有する線維筋痛症のfMRIを施行し、疼痛に関する脳領域の同定を行った。方法:年齢・性別をマッチさせた、痛みのないコロナ後遺症24名、1990年および2010年のアメリカリウマチ学会の診断基準を満たす線維筋痛症23名、正常群24名に対して安静時fMRIを施行し比較検討した。結果:線維筋痛症群では、正常群と比較して先行研究と同様にデフォルトモードネットワーク領域の機能的結合の高さを認めた。コロナ後遺症群では、正常群と比較して側頭葉と小脳の結合の高さを認めた。特にPlanum Polareと小脳との機能的結合の高さを認めた。線維筋痛症群では、コロナ後遺症群と比較してセイリエンスネットワーク領域の機能的結合が高い傾向を認めた。結論:Planum Polareは気分障害の抑うつとの関連も言われており、コロナ後遺症の抑うつ症状との関連が推測された。痛みにセイリエンスネットワーク領域が関与していることを示唆した。この結果は、先行研究からも裏付けされる。今後更に数を増やし、様々な面からの解析を加えて、痛みの病態を解明していく。
3: やや遅れている
コロナの影響で、被験者のリクルートが遅れているため。
今後はこれまでほどコロナの影響はないと考えられ、実験遂行上問題はないと予測している。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)
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