研究課題/領域番号 |
21K07531
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
岡田 尚志郎 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (40203989)
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研究分担者 |
山口 奈緒子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50380324)
呉 ユー秋 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40717154) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 室傍核 / 血中カテコールアミン / 拘束ストレス / AAV / トロンボキサンA2 / トロンボキサン受容体 / ノックダウン |
研究実績の概要 |
当初トロンボキサン合成酵素をノックダウンしたラットを作製する予定であったが、ノックダウン効率の再検討の結果トロンボキサン受容体 (TP) ノックダウンラット作製に変更した。3種類(#1、#5および#7)のTPノックダウンAAVおよびコントロールAAVを生理研のサポートで作成し、ラットの両側PVNに微量注入して、4種類のTPノックダウンラットを作成した。ノックダウン効率の検討は、TPノックダウンラット脳室内に投与したCRFによる血中アドレナリン増加の抑制を指標として行った。#1および#5 AAVノックダウンラットではCRF投与によるアドレナリン増加が抑制される実験結果をえた。この結果はPVNにおけるトロンボキサン受容体ノックダウンがCRFによるアドレナリン分泌を抑制することを示しており、我々がこれまでに薬理学的な解析で報告した結果に一致した。一方、#7ノックダウンラットではCRFによる血中アドレナリン増加を抑制しなかった。また、コントロールAAV 処置ラットにおいてもRFによる血中アドレナリン増加を抑制されなかった。以上の結果から、#1および#5TPノックダウンAAVがノックダウンラット作成に有効なツールであることがわかった。 さらに、これら4種類のAAV処置ラットの収縮期血圧を非観血的に測定したところ、#1、#5 AAVラットでは平均120mmHg~125mmHg、一方、#7では平均135mmHg、コントロールAAVでは平均135mmHgであった。この結果は、PVNにおけるTPノックダウンによるアドレナリン分泌低下が安静時血圧の低下を示唆するものであり、大変興味深い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2種類(#1、#5)のTPノックダウンではCRF投与によるアドレナリン増加が抑制される実験結果をえた。この結果はPVNにおけるトロンボキサン受容体ノックダウンがCRFによるアドレナリン分泌を抑制することを示しており、我々がこれまでに薬理学的な解析で報告した結果に一致した。一方、#7ノックダウンラットおよびではコントロールAAV 処置ラットはCRFによる血中アドレナリン増加を抑制しなかった。以上の結果から、#1および#5TPノックダウンAAVがノックダウンラット作成に有効なツールであることがわかった。 また、拘束ストレス負荷したラットからパンチアウトにより調製したPVNを用いて、qPCRによってCOX1および2、TxS、IKKの発現の時間経過を調べる実験系を立ち上げたところである。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は室傍核におけるトロンボキサン受容体発現のリアルタイムPCR 法およびウエス タンブロッティング法による解析の予定である。パンチアウトにより調製したPVNを用いてqPCR測定系は立ち上がったところであるが、時間を要してしまい、2024年度に1年間延長を申請したところである。 さらに、ノックダウンラットの非観血的血圧測定から、安静時血中アドレナリンが血圧に どのような影響を及ぼすのか、この点について知見を深めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者である岡田が愛知医科大学を定年退職し、2023年4月1日より日本医科大学特別研究生として研究を継続しているところである。日本医科大学へ移ってから本格的にAAVノックダウンラットを作成し、PVNのトロンボキサン受容体がアドレナリン分泌に重要な役割を果たしていることは確認できた。しかし、作成したノックダウンラットの非観血的血圧測定の結果、ロンボキサン受容体ノックダウンラットでは安静時血圧が低下することがわかり、さらなる解析が必要になったため、1年間延長して、予定の実験計画を進めることにした。
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