研究課題/領域番号 |
21K07534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
児玉 亨 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 研究員 (20195746)
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研究分担者 |
宮川 卓 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 副参事研究員 (20512263)
嶋多 美穂子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, ゲノム医科学プロジェクト 上級研究員 (50792727)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 睡眠 / 特発性過眠症 / オレキシン / ゲノム / 変異 / ナルコレプシー / 東北メディカルメガバンク機構 |
研究成果の概要 |
特発性過眠症のゲノム解析を実施し、その関連変異としてオレキシン前駆体遺伝子の切断サイトに位置するアミノ酸置換を伴う変異(p.Lys68Arg)を同定した。新たな特発性過眠症のサンプルセットを用いて、その関連が再現されることを確認したところ、本変異陽性患者群では重症度が高い傾向を示していた。次に、東北メディカルメガバンク機構より分譲された変異情報及び睡眠情報を用いた解析により、本変異を有する健常者の睡眠表現型に特徴が存在するかを調査したが、有意な相関を示す睡眠表現型は確認されなかった。その代わりオレキシン2受容体遺伝子上の変異(rs188018846)が日中の眠気と有意に相関することを見出した。
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自由記述の分野 |
睡眠学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
特発性過眠症はヘテロジニアスな疾患であり、その原因もほとんどわかっていない。本研究により、特発性過眠症や日中の眠気の原因の一つにオレキシンのパスウェイが関わることを明らかにした。オレキシンは睡眠覚醒制御に関わる神経ペプチドとして知られている。これまでナルコレプシーの発症にオレキシンが寄与すると考えられ、ナルコレプシー治療薬の重要なターゲットとされてきた。本研究の結果から、オレキシンが特発性過眠症の治療薬の候補ともなり得る。また、特発性過眠症や日中の眠気と関連した二つの変異は、どちらもヨーロッパ系集団やアフリカ系集団では、ほとんど認められない変異であり、集団特異的な解析の重要性も示唆された。
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