旭川医科大学病院精神科外来通院中または入院中の成人患者を対象に、ビデオ睡眠ポリグラフ(VPSG)検査を施行した。急速眼球運動(REM)睡眠行動障害(RBD)の患者におけるRBDエピソード(RBDE)は、その重症度により次の3つの運動イベント(ME)に分類された。ME 1; 小運動または突進、ME 2; 暴力行為を含む近位運動、ME 3; ベッド転倒を含む軸運動である。それぞれのMEについて、ME発症直前10秒間のRWA(REMsleep without Atonia)とREMsleepの両方が先行したMEの数と先行しなかったMEの数を測定した。重度のRBDE(ME 3)では、RWAとREMの両方が先行したMEの回数は、両方が先行しなかったMEの回数よりも有意に多かった(0.8対0.2、P = 0.033)。これは軽度のRBDE(ME 1)と中等度のRBDE(ME 2)では当てはまらなかった。この結果より、RWAとREMの両方が重度のRBDEの発症に関連することが示唆された。
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