研究課題/領域番号 |
21K07540
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宮島 美穂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (70616177)
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研究分担者 |
加納 学 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30263114)
山川 俊貴 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (60510419)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | てんかん発作予測 / 時間生物学 / 機械学習 |
研究実績の概要 |
本年度は、計画に沿っててんかん患者・健常者において長時間の生体信号モニタリングデータの収集を行った。 てんかん患者においては新型コロナウィルス感染拡大によって検査入院が減少し、また研究代表者の所属施設では研究目的での患者への接触の制限が課せられたため、研究目的のウェアラブルデバイスによるデータの取集は2名にとどまった。2名においては、長時間ビデオ脳波検査中に同時に、絆創膏型ウェアラブルデバイスによって心拍、身体加速度の持続計測を実施した。一方で、てんかん患者50名以上において、心電図や筋電図、血中酸素飽和度等のモダリティを含む診療目的の長時間ビデオ脳波検査データを新規に収集した。長時間ビデオ脳波データは数日にわたりビデオと脳波が連続同時記録されるため、睡眠覚醒および睡眠ステージ変化のタイミングが厳密にラベリングできる。また、てんかん発作の発作型やタイミングも正確に同定されるため、発作と生体リズムとの関連を検証するにあたり非常に有用なデータである。一方で、検査持続時間は多くの施設で3日程度であり、個人内の変動を検証するためにはやや短いことが多い。今年度は上記の観点から、個人内の変動を観察する目的で5-7日程度の比較的長期間のデータを約10例収集した。 健常者については、既存の機器による心電図計測および、分担研究者らが開発中のシャツ型ウェアラブルデバイスによる心電図データ計測を実施し、のべ約50名分のデータを収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大により、てんかん患者の検査入院が減少し、また研究目的での患者への接触の制限をはじめとした研究活動の制限が課せられたため、てんかん患者のウェアラブル計測データの収集は一部にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
てんかん患者及び健常者からのデータ収集、特にウェアラブルデバイスによる長期間のデータ取集を引き続き行い、データ解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
てんかん患者のデータ収集が少数にとどまったことなどから、データ収集・解析のための謝金や人件費、消耗品費などのための予算の一部は使用しなかった。また、新型コロナウィルス感染拡大に伴い出張は制限されたため、旅費も未使用となった。来年度は繰り越し分の予算を使用して主に患者のデータ取集の実施を加速する予定である。
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