本研究では、CNVが双極性障害、統合失調症、自閉スペクトラム症の発症に関与することを明らかにした。特に、神経発達症と関連するCNVがこれら3疾患で高い頻度で見られることを見出し、精神疾患の遺伝的基盤の理解に大きく貢献した。さらに、ノンコーディング領域のCNVが脳の遺伝子発現を調節することで、統合失調症と自閉スペクトラム症の発症に関与している可能性を示したことは、精神疾患の分子メカニズムに新たな視点をもたらす重要な知見である。本研究の成果は、精神疾患の遺伝的リスクの同定とその機能解明を進め、将来的には、個別化医療の実現や新規治療法の開発につながることが期待される。
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