研究実績の概要 |
令和4年度は、認知の柔軟性と共感に関わるfMRI実験により、これまで蓄積してきた心のしなやかさ、自己と他者の心境推測、社交不安に関わる脳神経基盤に関する議論を推進する結果が得られた。そしてこれらを論文を取りまとめた (Sami et al., 2023, Behavioural Brain Research)。またfMRIの撮像中に不安を喚起しうる課題を用いた実験により、注意の切替えと不安の低減に関わる、本研究課題の仮説を支持する結果も得られた (Noda et al., 2023, BJPsych Open)。この研究では、被験者に対し、注意維持、シフトに関わるトレーニングを行ってもらった。そしてこのトレーニングが、実験被験者の不安、さらに不安や自己認識に関わる脳領域の活動変化に関わる可能性も示すことができた。なおこの知見はプレスリリースを通じて発信した。さらに今年度は、注意・視点の切替えに関わる柔軟さ、社交不安と併存疾患という切り口から、これまでの知見をまとめ、論文化に至った(Tei and Fujino, 2023, Humanities and Social Sciences Communications等)。今後はこれらの知見をさらに進展させる予定である。
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