研究課題/領域番号 |
21K07556
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
長谷川 由美 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 科研費研究員 (60868321)
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研究分担者 |
松尾 幸治 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (00292912)
住吉 太幹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 部長 (80286062)
末吉 一貴 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 科研費研究員 (10835581)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 神経認知機能検査 / 認知機能障害 / 精神疾患 |
研究実績の概要 |
精神疾患患者の社会復帰(機能的転帰)を左右する要因として、記憶、実行機能、注意、処理速度、語流暢性など、いわゆる認知機能の障害が 注目されている。従来、統合失調症において注目されてきた認知機能障害は、双極性障害や大うつ病性障害など気分障害についても注目される ようになった。気分障害における認知機能障害は統合失調症よりも軽微であるが、影響を受ける認知機能領域や相対的な障害の程度、および機 能的転機への影響は共通する。こうした背景から国際双極性障害学会(ISBD)は、気分障害における認知機能障害をターゲットとした治療法の 開発や日常診療における認知機能の評価を奨励している。特に、短時間で簡便に認知機能を測定できる評価バッテリーの整備が、本邦でも求め られている。本研究では、健常者、双極性障害、大うつ病性障害の患者を対象とし、SCIPおよびBAC-Aの信頼性・妥当性を検討する。対象は、健常者50名、双極性障害患者40名、大うつ病性障害患者40名を予定している。横断的観察研究である。SCIPやBAC-Aの実臨床上での利 用場面を想定し、対象患者を、HAM-D得点14点以下、YMRS得点14点以下の軽度の気分症状を有する者とする。対象者は研究分担者医師が募集する。健常者にはIC(インフォームド・コンセント)を得た同日、ある いは1週間以内に一連の評価を完了する。患者にはICを得た後、表に示す構造化面接により参加基準に適合するか判断を行う。その後、同日中 あるいは1週間以内に初回(0日目)評価を実施する。初回評価の終了日を基準日として、7日後と14日後に再度評価を実施する。現在、健常者、双極性障害、大うつ病性障害の患者に検査を実施し、データを収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者3名に検査を実施し、フィージビリティを確認した。健常者の検査時間は約3時間であった。BAC-Aにおいて「情動単語が過激なため、心配になる。」という意見があったので、BAC-Aの前に「これから受けてもらうのはちょっと変わったテストです。テストの趣旨に対して疑問をもったり、協力しにくく感じたときは遠慮なく教えてください」と説明する手順を加えた。また、複数の単語リスト課題を実施することから、干渉が起きてしまったため、検査の順番を変えることや、間に症状評価等を実施し、できるだけ干渉が起こらないようにすることとした。 2021年7月より、検査バージョンの組み合わせを決める割付表を作成し、被験者の募集を開始した。また、NCNP病院内での掲示や候補者に手渡しするためのチラシを作成し、NCNP倫理委員会の承認を得た。 現在までに、健常者13名(男性7名、女性6名)、大うつ病性障害患者6名(男性2名、女性4名)、双極性障害患者3名(男性2名、女性1名)の同意を取得した。健常者13名、大うつ病勢患者5名、双極性障害患者2名は全検査の実施を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中に目標症例数の検査を実施し、来年度に学会発表、論文化を行う。そのために、研究協力機関である埼玉医科大学での患者群のリクルートを行う。研究に協力してもらいやすくするため患者の負担軽減費(QUOカード)の金額について再考する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの流行により、計画人数の研究実施ができていない。さらに学会への参加もできなかったため。また、物品等の購入を未実施のため。今年度検査を昨年度より実施する予定である。QUOカードの費用はその他に計上されるようですので、人件費、謝金等で計上したいと 考える。
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