研究課題/領域番号 |
21K07571
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 弦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80279182)
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研究分担者 |
吉田 謙 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10463291)
増井 浩二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20783830)
梶川 智博 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30846522)
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
清水 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (70453107)
武中 正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80626771)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子宮頸癌 / 小線源治療 |
研究実績の概要 |
局所進行子宮頸がん患者に対して外部ビーム放射線療法 (EBRT) に加え、 タンデムと卵形またはリングによる腔内小線源治療 (ICBT) が最も一般的に使用されているが、従来の ICBT は、ターゲットのサイズや形状に関係なく、特定のポイントに治療線量を提供する治療法である(いわゆる二次元治療)。 日本では二次元治療を行っている施設も多い一方、腔内および組織内小線源治療法 (ICISBT) を組み込んだ 3 次元画像情報を使用した画像誘導適応小線源治療が世界の潮流である。 米国とヨーロッパの小線源治療グループは、MRI ベースの ICBT のガイドラインと推奨事項を確立している 。現在、小線源を用いた治療法は3つあり、ICBT,これに組織内照射を加えたICIS、すべてを組織内照射とするISBTにわかれる。 日本の子宮頸がん治療は組織内照射を用いる施設がいまだに少なく世界の潮流に合わせる必要性が生じ、今回の研究にいたっている。前年度は、小線源治療を用いた根治的放射線治療を行った子宮頸がん患者を対象に、来院時および各照射時の総初回腫瘍体積(GTV)を調査し、各モダリティの線量体積ヒストグラム(DVH)を解析し、初回GTVが150cm3以上の腫瘍はISBTの候補となりうるかもしれないことが判明した。さらに今年度は、症例数を増やしつつ各治療モダリティーの線量を容易に比較できるよう、EQD2という評価方法を用いて解析した。ISBTはEQD2で89.10Gy(範囲:65.5~107.6Gy)を処方でき、ICIS 73.94Gy(71.44~82.50 Gy)、ICBT 72.83Gy(62.50~82.27 Gy)に比べて高い(p<0.0001)線量投与ができていることを確認した。今後は組織内照射を必要とする子宮頸癌のサイズ基準を提案したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に症例集積を行い得、さらに解析に関してもスムーズに行い得た。さらなるfollow up期間の延長と症例集積数の増加を目指したい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は組織内照射を必要とする子宮頸癌のサイズ基準を提案したい。国際標準化にかなう、より効果的で安全な放射線治療法の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に投稿、出版を予想していた英文研究論文の審査が長引いているため、この分を次年度使用することとした。 また新型コロナウイルス蔓延により予定していた学会出張ができなかった。
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