本研究では,新たに3次元CT画像およびvirtual endoscopyの動画像を用いたハイブリッド学習によるEC法を開発し,「緩下剤なしのCTコロノグラフィ検査」の実現を目指している.令和4年度までに時系列情報を考慮できるrecycleGANを用いたEC法の開発を行った結果,腸管に沿った断面画像を用意し学習及び評価の実験を行ったところ,ECを行うことが可能となった.しかし,断面画像にmulti-planar reconstruction (MPR)画像を用いた場合の学習が最も良かったがvirtual endoscopy像を直接生成することはできないという欠点が挙げられた. 令和5年度はvirtual endoscopy像のみから直接EC画像を生成することができるよう,ネットワーク構造の改善を図るとともにハイブリット化するため従来の3次元CT画像を用いたEC法の更なる改良を行った.その結果,従来の3次元CT画像を用いたEC法においては,Transformerを用いることにより改善が見られた.しかし,依然としてvirtual endoscopy像のみから直接EC画像を生成することは難しく,同系色のみの画像から特徴を抽出しEC画像を生成することは困難であることが明らかになった.
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