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2022 年度 実施状況報告書

放射線誘導免疫応答におけるnon-coding RNA pathwayの解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K07582
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

影山 俊一郎  国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (60644979)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードRIG-I / RNA virus sensor / ISRE / 放射線治療 / 肺非小細胞癌
研究実績の概要

本研究の目的は、放射線治療後によりがん細胞に誘導される免疫応答とRNA sensor pathwayとの関連を調べ、そのメカニズムを解明することを目的とする。これまでの解析で、我々は食道扁平上皮癌細胞株KYSE450, 肺非小細胞癌細胞株A549でRNA sensorであるRIG-I依存的に免疫応答が誘導されることを明らかにした。
さらに我々はRIP-seqによりRIG-Iに結合するRNAがtransporsal element (LTR)であることを同定した。このLTRファミリーは、がん免疫等に関与することや、その活性化が免疫治療抵抗性の解除につながることが報告されており、非常に興味深い発見であった。さらに我々は798Kinase阻害剤ライブラリのスクリーニングから、放射線治療後にmTOR pathway→lTR発現上昇を介してRIG-I pathwayを活性化することを明らかにした。
近年放射線誘導免疫応答にRNA sensor pathwayが関与するという報告は多いが、そのligandや、上流についての知見は少なく、非常に重要な発見である。最後に我々はこのLTR活性化、RIG-I活性化が患者組織で生じることを確認した。single cell RNA seq, 空間的トランスクリプトームによる食道癌患者放射線治療後の組織を解析し、我々が培養細胞で見出したシグナルが放射線治療後の癌組織で活性化していることを確認している。
これらの成果は現在Communication biology, Science Advancesに投稿、revise中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画書通りの進行をしている。

今後の研究の推進方策

現在細胞株を用いた遺伝子機能の解析、患者検体を用いた放射線治療中の癌組織の解析が終了している。また、患者組織内の遺伝子発現変化から放射線治療によりPD-L1だけではんくIDO1, SIRPAといった遺伝子発現が強く誘導されていることを確認している。今後は数理モデル解析を用いてこれらの遺伝子を標的とした新規治療モデルの開発、動物実験による検証を目標に研究を遂行する予定である。

次年度使用額が生じた理由

細胞株研究が計画よりもやや早く完結したこと、現在患者検体解析には東京大学鈴木穣研究室との共同研究により、scRNA seq, VISIUMを用いた解析を新たに行っている等の理由により、研究費は当初の予定より余剰がでる時期や、予定よりも多くの支払いが必要になる時期がある。3年間を通した計画は想定の範囲のため最終的な収支に問題はないと考える。

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公開日: 2023-12-25  

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