研究課題
5D-GRASP法を用いた冠動脈MRAでは、セルフナビゲーション法と圧縮センシング技術を組み合わせて心電図・呼吸同期なしで100%の撮影効率で連続した画像データの収集が可能である。本研究では、昨年度に、5D-GRASP法を用いた冠動脈MRAの撮影パラメータおよび造影剤注入法の最適化を行い、査読ありの国際英文ジャーナルに採択された。また、今年度は、5D-GRASP法を用いた冠動脈MRAを時間分解能を20msから100msまで10ms刻みで変えて再構成し、通常のシネMRIと比較して最も妥当な結果を与える時間分解能が50msであることを明らかにした。その後、時間分解能50msの画像再構成を行い、左室短軸像のシネ画像を得て、通常のシネ画像と左室容積および機能について比較し、良好な一致が得られることを、2023年5月に行われた国際学会(ISMRM2023、トロント)で発表し、現在、英語論文を執筆中である。さらに、冠動脈MRAの多数の画像データセットから診断に最適な冠動脈静止心位相をRCAとLADで近位部と遠位部で評価者が視覚的に選択したものが、別途撮影しておいたRCA近位部の高分解能シネMRIから予測される冠動脈静止心位相と比較し大きくずれがあることを見出した。これは一つの心位相を選択するよりも、幅広い心位相の画像を評価することにより、部位ごとに異なる最適な心位相を参照することにより、冠動脈狭窄の診断能向上の可能性を示唆する。この内容を本年11月におこなわれる国際学会(SMRA2024、チリ)で発表予定である。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
Magn Reson Med Sci.
巻: 23 ページ: 225-237
10.2463/mrms.tn.2022-0086