研究課題/領域番号 |
21K07600
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
清水 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (70453107)
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研究分担者 |
梶川 智博 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30846522)
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
鈴木 弦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80279182)
武中 正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80626771)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小線源治療 / 画像誘導 / 経直腸超音波 / MRI / fusion / 子宮頸癌 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子宮頸癌に対する組織内針刺入時の経直腸超音波(TRUS)画像にMRI画像をfusionして線量分布認識の相違を少なくし、その画像上で刺入をナビゲートするシステムを開発することであり、昨年度はTRUS画像とMRI画像のfusionおよび精度評価についての検討を行った。本研究では、対象ポイントを指定してMRI画像を変形させTRUS画像に fusion を行う deformable image registration (DIR) を使用する。まず過去に治療された子宮頸癌腔内照射患者症例にて、治療前のMRIをDIRで変形させ、タンデム・オボイドが留置された状態のTRUS画像とfusionを行った。MRI画像で指定した刺入予定部位とTRUSの該当部位との位置誤差を2次元的に解析したが、位置誤差は比較的大きい症例が多かった。理由としては子宮頸部は前立腺とは異なり病変がやや広範になること、TRUSプローブによる変形もやや強く、直腸コイルを用いずに撮影されたMRI画像との相違が生じていること、またタンデム・オボイドが留置された状態では、留置されていない治療前の状態と比較して条件が大きく異なること、が考えられ、DIRの方法については再考が必要と考えられた。 今年度は1回目の腔内照射時MRIとTRUSをfusionさせることとした。5例の症例でfusionを試みたところ、MRI画像は直腸コイルを用いて撮影されていないため、超音波画像と同様のfan型になるよう変形を行ってからDIR fuisonを行ってもtandem位置は大きく異なった。MRI画像の切り出しを再度行いtandem合わせでfusionしたところ、子宮頸部の位置合わせは比較的良好に得られた。ただし、TRUSによる子宮頸部変形の影響は残り、今後はこれを考慮したfusionを考えていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も、昨年度の結果を踏まえて再考したTRUS画像とMRI画像のfusion(DIR)および精度評価を行うことが主な予定であったが、さらにTRUSの影響を考慮したDIRを考えていく必要があるため、当初の計画予定表からは遅れていると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の研究結果からDIRの方法についてはさらに再考の上再評価を行い、令和5年度については遅れている計画を含めて、標的への刺入ナビゲートシステムの開発や、組織内照射治療時MRIを用いた刺入点、刺入経路、刺入到達点のマッピングなどを行う研究につなげていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は前年度の解析結果をもとに画像fuisionの再考を行っていたため、やはり既存の機器での解析が主なものとなった。本年度購入機器での解析も進まず、新たな付随ソフトやファントムなどを購入するに至らず次年度使用額が生じた。本年度の解析結果を参考に、次年度は画像fusion方法の再修正とさらに標的刺入ナビゲーションシステムの開発に向けての詳細な解析を行っていくためノート型パソコンおよび統計解析ソフトなどの購入を行う。またその結果をもとに国内・海外での学会発表も積極的に行っていく予定であり、そのための旅費も必要となる見込みである。
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