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2021 年度 実施状況報告書

呼気ガス測定による陽子線治療後の気道炎症の非侵襲的モニタリングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K07601
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

木元 拓也  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60791100)

研究分担者 山崎 秀哉  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
鈴木 弦  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80279182)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射線肺臓炎 / 呼気ガス測定 / 陽子線治療
研究実績の概要

本研究は、呼気ガス測定による肺腫瘍に対する陽子線治療後の気道炎症の簡易的・非侵襲的にモニタリングし、放射線肺臓炎の発症を予測するシステムを開発することを目的とする。
これまで、放射線治療前後の呼気中一酸化窒素(eNO)の測定・解析により肺臓炎が定量化可能になることを示し、放射線肺臓炎予測を試みてその有用性が明らかとなっている。
一方、近年、新たな放射線治療の手法として陽子線治療が発展し、その有効性が報告さている。肺腫瘍においては、従来の放射線治療では治療困難であった巨大腫瘍や間質性肺炎合併例に対しても有効性が報告されている。陽子線は一般的に放射線治療に用いられるX線と物理的・生物的性質が異なるため生体の反応が異なる可能性があるが、陽子線治療後の呼気ガス値変化と肺臓炎の関係はわかっていない。
そこで、X線治療において放射線肺臓炎の予測に有効である呼気ガス測定・解析を陽子線治療に応用することで、陽子線治療後の放射線肺臓炎発症予測の定量的測定法の開発を目指す。
そのために、eNO測定装置であるチェスト社製のNIOX VEROおよびeCO測定装置であるフクダ電子株式会社のマイクロCOモニターを購入し当院の陽子線治療施設である永守記念最先端がん治療研究センターに設置し、肺腫瘍に対する治療後の呼気ガス測定を開始した。
また、放射線肺臓炎に関する知見を深めるために、肺腫瘍に対するX線による放射線治療後の肺臓炎に関する検討も併せて実施し、英論文を作成し投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

肺腫瘍に対する陽子線治療は限局性肺癌、局所進行非小細胞肺癌、少数個の転移性肺腫瘍が適応となっているが、いずれも現在は先進医療の対象となっており、標準治療である、手術や体幹部定位放射線治療、化学放射線治療と適応対象が重なるため、当初の想定より陽子線治療の対象患者が少なくデータ集積が遅れている。

今後の研究の推進方策

日本放射線腫瘍学会粒子線部会により、これまでの本邦での粒子線治療の治療成績がまとめられ、論文作成を進められており、研究者らも分担者となっている。それらのデータも踏まえてより広く陽子線治療の周知を行うとともに、呼吸器内科・呼吸器外科との連携も図り、着実に陽子線治療を実施し、データ集積を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究のための情報収集等を目的として各種学術集会への参加を予定し、旅費を算定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、学会等がオンライン開催となり、想定よりも経費がかからなかったため。
また、準備がやや遅れている影響もあり、一部物品の購入が翌年度になったため。

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公開日: 2022-12-28  

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